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2024/25年度のサトウキビ生産状況等調査報告(第4回)を公表 (ブラジル)

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最終更新日:2025年4月23日

 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2025年4月17日、2024/25年度(4月〜翌3月)第4回目のサトウキビ生産状況等調査報告を公表した。本報告は、同年度のサトウキビ、砂糖およびエタノールの生産予測などを四半期ごとに公表するものであり、今回が同年度の最終報告となる。

サトウキビ生産量は単収の減少によりやや減産

 2024/25年度のサトウキビ収穫面積は、前回(2024年11月)予測から7万ヘクタール上方修正の877万ヘクタール(前年度比5.2%増)とやや増加が見込まれている(表1)。
 単収は、高温で降水量が少なかったことに加え、24年8月にサトウキビの最大生産州であるサンパウロ州を中心に発生したサトウキビ圃場(ほじょう)での火災の影響により、前回予測から1ヘクタール当たり0.8トン下方修正の同77.2トン(同9.8%減)とかなりの程度の減少が見込まれている。
 この結果、サトウキビ生産量は前回予測から171万トン下方修正の6億7696万トン(同5.1%減)とやや減少が見込まれている。過去最大のサトウキビ生産量を記録した23/24年度との比較ではやや減産するものの、CONABが報告を開始して以降、過去2番目に大きい生産量となる。
 サトウキビの歩留まり指標となるATR(注)は、前回予測から0.6キログラム上方修正のサトウキビ1トン当たり137.4キログラム(同2.1%増)とわずかな増加が見込まれている。
 
(注)1トン当たりの平均回収糖分。ポルトガル語でAçúcar Total Recuperável(総回収可能糖量)の略。
表1

砂糖生産量はやや減少、エタノール生産量はやや増加

 砂糖生産量は、前回予測から11万トン上方修正の4412万トン(前年度比3.4%減)とやや減少が見込まれている(表2)。このうち、同国最大の砂糖生産量を誇るサンパウロ州では、2604万トン(同7.9%減)とかなりの程度減少が見込まれているものの、引き続き国内砂糖生産量の59.0%を占めている。サトウキビ生産量と同様にCONABが報告を開始して以降、過去2番目に大きい生産量となり、国際市場でのブラジル産砂糖の需要が堅調であることを反映した結果である。
 また、エタノール生産量は前回予測から11億656万リットル上方修正の371億8987万リットル(同4.4%増)とやや増加が見込まれている。内訳を見ると、サトウキビ由来は前回予測から4億9343万リットル下方修正の293億5034万リットル(同1.1%減)とわずかな減少が見込まれている。一方、トウモロコシ由来は前回予測から6億1313万リットル上方修正の78億3953万リットル(同32.4%増)と大幅な増加が見込まれている。このうち、99.6%がトウモロコシ生産量の約7割を占めるマットグロッソ州を中心とした中西部地域で生産される。24/25年度のエタノールの増産は、サトウキビの減産によるサトウキビ由来の減少分を、近年増産が続くトウモロコシ由来で補う形となっている。
表2

砂糖輸出量は前年度並み、エタノール輸出量は大幅に減少

 ブラジル開発商工サービス省(MDIC)の資料によると、2024/25年度の砂糖輸出量は3510万トン(前年度比0.0%減)と前年並みになった。主な輸出先はインドネシア、インド、中国向けであり、これら3カ国で同国の砂糖輸出量の24.7%を占めている(図1)。
 一方、同年度のエタノール輸出量は、エタノールの減産などから17億5000万リットル(同31.9%減)と大幅に減少した。主な輸出先は韓国、米国、オランダ向けであり、これら3カ国で同国のエタノール輸出量の73.9%を占めている(図2)。
図1
図2
【調査情報部 峯岸 啓之 令和7年4月23日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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