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2024/25年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第7回)を公表 (ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2025年4月10日、2024/25年度第7回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

24/25年度トウモロコシ生産量はさらに上方修正、前年度比7.8%増の見込み

 2024/25年度のトウモロコシ生産量は、前回(2025年3月)より198万3100トン上方修正の1億2474万3400トン(前年度比7.8%増)と、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている(表1、図1〜2)。これは、作付面積(同1.2%増)と単収(同6.5%増)がいずれも前年度を上回ると見込まれることによる。この生産量は、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度に次ぐ大きさとなる。
 内訳を見ると、全生産量の2割を占める第1期作の生産量は、前回より39万1900トン下方修正されたものの2446万5400トン(同6.5%増)と、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。作付面積は、穀物市場価格の下落などを背景に同5.1%減と前年度をやや下回ったが、単収が同12.2%増とかなり大きく増加することが寄与している。
 また、全生産量の8割を占める第2期作の生産量は、前回より237万5100トン上方修正の9789万900トン(同8.5%増)と、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。第2期作の播種作業は、作付面積全体の97.9%(25年3月末現在)で終了し、ミナス・ジェライス州、マトグロッソ・ド・スル州、パラナ州でわずかに残っているのみである。作付状況はほとんどの産地で良好となったが、ゴイアス州の一部地域とミナス・ジェライス州全体では、2月と3月上旬の降雨量が少なかったため、初期生育の遅れが報告されている。
 24/25年度のトウモロコシ需給を見ると、生産量が上方修正されたものの、国内需要が引き続き堅調なことから、輸出量は前回と変わらず3400万トン(前年度比11.7%減)と、前年度をかなり大きく下回ると見込まれている(表2)。

24/25年度大豆生産量は、更に上方修正

 2024/25年度の大豆生産量は、前回より50万300トン上方修正の1億6786万9800トン(前年度比13.6%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度の生産量を更新すると見込まれている(表1、図1〜2)。これは、作付面積(同3.0%増)と単収(同10.4%増)がいずれも前年度を上回ると見込まれることによる。
 リオ・グランデ・ド・スル州では、天候不順により作柄に影響が出ているものの、サンパウロ州、ゴイアス州、トカンチンス州、マットグロッソ州などは記録的な豊作が見込まれることで、全体の生産量は上方修正された。
 収穫状況(25年3月末)は、中南部地域での降雨量減少により収穫が進んだことで、収穫面積の81.4%で収穫を終えている。
 24/25年度の大豆需給を見ると、生産量の上方修正が影響し、輸出量も前回より11万400トン上方修正され、1億585万8400トン(同7.1%増)になると見込まれている(表3)。
表1 2024/25年度の主要穀物等の生産予測
図1 トウモロコシと大豆の生産量の推移
図2 2024/25年度の生産予測の推移
表2 ブラジルのトウモロコシ需給動向
表3 ブラジルの大豆需給動向
【原田 祥太 令和7年4月25日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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