2025年3月のフィードロット飼養頭数、輸出需要などで拡大(豪州)
豪州フィードロット協会(ALFA)と豪州食肉家畜生産者事業団(MLA)は2025年5月15日、四半期ごとに共同で実施している全国フィードロット飼養動向調査の結果(25年1〜3月期)を公表した。
これによると、同年3月末の飼養頭数は、149万7325頭(前年同期比10.5%増、前回比3.2%増)と過去最高であった前回(24年12月末)の記録をさらに更新した(表)。また、収容可能頭数は165万6501頭(同3.9%増、同0.1%減)と前回に引き続き160万頭を上回り、穀物肥育牛肉に対する旺盛な需要が飼養頭数の増加につながったことで、フィードロットの稼働率も90.4%と過去最高水準となった(図1)。
25年第1四半期(1〜3月)の穀物肥育牛と畜頭数は、堅調な輸出需要を背景としたフィードロット飼養頭数の増加により85万8613頭(同12.7%増、同9.5%増)となった(図2)。
さらに、25年第1四半期の穀物肥育牛肉輸出量も9万329トン(同7.6%増、同9.5%減)となった(図3)。輸出先別に見ると、中国向けは2万9043トン(前年同期比26.9%増)と輸出量全体の32.2%を占め、日本を抜いて豪州最大の輸出先となった。この要因としてMLAは、中国は経済成長により中流階級の規模が拡大したことで、穀物肥育牛肉への需要が伸びている一方、24年第3四半期(7〜9月)まで最大の輸出先であった日本向けは、国内の冷凍在庫増加から、輸入需要が減少したことで輸出量の減少につながったとみている。
今回の結果を受けてALFAは、「豪州はフィードロットでの生産性を継続的に向上させており、世界的な需要に応えるために、高品質の穀物肥育牛肉を提供している」とし、「フィードロットは、季節条件に関係なく、高品質の牛肉を一貫して生産するために重要である」とコメントした。またMLAは、「豪州のグローバル市場における競争力は、為替相場やサプライチェーンの変動に対し、高い適応力によって支えられたものである」とコメントした。
【田中 美宇 令和7年5月22日発】
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