ブラジル農牧供給省(MAPA)は2025年5月15日、同国南部のリオグランデ・ド・スル州モンテネグロ市の家きん飼養施設で高病原性鳥インフルエンザ(HPAI)の感染が確認されたことを公表した(図1)。同国では、23年に初めてHPAIの感染が野鳥及び裏庭養鶏における家きんで確認されたが、商業用の施設で確認されたのは今回が初めてとなる。MAPAは感染の封じ込めと終息に向けた措置を開始しており、5月21日時点で、既に対象施設のすべての家きんと卵の処分及び施設全体の清掃と消毒作業が完了している。なお、MAPAは、家きん肉や卵の摂取によって人へ感染することはないことを周知している。
また、現地情報誌によると、5月15日時点で、同州にある動物園で2例目の感染が確認された。
HPAIの感染確認に伴い、中国およびEUは、同国からの家きん肉などの輸入を停止した。また、日本も同国リオグランデ・ド・スル州からの生きた家きん、リオグランデ・ド・スル州モンテネグロ市からの家きん肉、食用生鮮殻付卵などの輸入一時停止措置を講じている(注)。
ブラジルは世界最大の鶏肉輸出国であり、日本にとっても最大の輸入先となっており、今後の状況が注目される(図2、表)。