2024/25年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第8回)を公表(ブラジル)
ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2025年5月15日、2024/25年度第8回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。
24/25年度トウモロコシ生産量はさらに上方修正、前年度比9.9%増の見込み
2024/25年度のトウモロコシ生産量は、前回(2025年4月)より213万5200トン上方修正の1億2687万8600トン(前年度比9.9%増)と、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている(表1、図1〜2)。これは作付面積(同1.6%増)と単収(同8.1%増)がいずれも前年度を上回ると見込まれることによる。この生産量はCONABが統計を取り始めて以来、最大となった22/23年度に次ぐ大きさとなる。
内訳を見ると、全生産量の2割を占める第1期作の生産量は前回より22万3000トン上方修正の2468万8400トン(同7.5%増)と、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。降雨量の減少により収穫作業が進み、第1期作は5月上旬時点で作付面積全体の77.6%で収穫を終えた。生産地域の大半で順調な登熟期を迎え、生育状態が良好となった。
また、全生産量の8割を占める第2期作の生産量は前回より191万2500トン上方修正の9980万3400トン(同10.8%増)と、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。第2期作はすべての地域で播種作業が終了しており、降雨量の減少にもかかわらず、生育状態は良好とされている。
24/25年度のトウモロコシ需給を見ると、生産量が上方修正されたものの、エタノール用途としての国内需要が増加していることから、輸出量は前回と変わらず3400万トン(前年度比11.7%減)と、前年度をかなり大きく下回ると見込まれている(表2)。
24/25年度大豆生産量はさらに上方修正、前年度比14.0%増の見込み
2024/25年度の大豆生産量は、前回より47万2000トン上方修正の1億6834万1800トン(前年度比14.0%増)と前年度をかなり大きく上回り、CONABが統計を取り始めて以来最大となった22/23年度の生産量を超えると見込まれている(表1、図1〜2)。これは作付面積(同3.2%増)と単収(同10.5%増)がいずれも前年度を上回ると見込まれることによる。
収穫の進捗率は5月上旬時点で作付面積全体の98.5%に達し、中西部、南東部、パラナ州、トカンティンス州は収穫を終えた。これらの州のほとんどは天候に恵まれたこともあり、当初の見込みを上回っているが、マットグロッソ・ド・スル州は登熟期の降水不足と高気温が相まって生産量の減少が見込まれている。
また、まだ収穫を終えていないリオ・グランデ・ド・スル州も天候不順により作柄に影響が出ており、生産量の減少が見込まれている。
24/25年度の大豆需給を見ると、生産量の上方修正から輸出量も前回より10万4500トン上方修正の1億596万2900トン(同7.2%増)と見込まれている(表3)。
【原田 祥太 令和7年5月26日発】
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