米国農務省による世界および米国のトウモロコシ需給予測(2025年6月)
25/26年度は消費量および輸出量の増加から期末在庫はやや減少
米国農務省世界農業観測ボード(USDA/WAOB)および米国農務省海外農業局(USDA/FAS)は2025年6月12日、2025/26年度の世界のトウモロコシ需給予測値を更新した(表1)。
これによると、同年度の世界のトウモロコシ生産量は12億6598万トン(前年度比3.5%増)と前月から100万トン上方修正され、過去最高の更新が見込まれている。主要生産国はいずれも据え置かれたが、インドでの上方修正などが反映された。
輸入量は、世界全体で1億8748万トン(同2.4%増)と前月から据え置かれた。
消費量は、世界全体で12億7579万トン(同1.7%増)と前月から136万トン上方修正され、過去最高の更新が見込まれている。また、3年連続で過去最高を更新する生産量を上回るとされる。主要国における消費量は、いずれも据え置かれたが、カナダでの上方修正などが反映された。
輸出量は、世界全体で1億9582万トン(同3.1%増)と前月から1万トン上方修正された。
この結果、期末在庫は、消費量および輸出量の伸びが生産量および輸入量を上回ったことで、2億7524万トン(同3.4%減)と前月から260万トン下方修正された。
米国は生産量の増加などから期末在庫は大幅に増加
USDA/WAOBは同日、2025/26年度(9月〜翌8月)の米国のトウモロコシ需給見通しを公表し、期首在庫および期末在庫を除くすべての数値が前月から据え置かれた(表2)。
米国内生産量は、158億2000万ブッシェル(4億184万トン(注1)、前年度比6.4%増)と前年度からかなりの程度の増加が見込まれている。
米国内消費量は、127億8500万ブッシェル(3億2475万トン、同1.1%増)と前年度からわずかな増加が見込まれている。
輸出量は、26億7500万ブッシェル(6795万トン、同0.9%増)と前年度からわずかな増加が見込まれている。
期末在庫は、17億5000万ブッシェル(4445万トン、同28.2%増)と前年度から大幅な増加が見込まれている。
また、期末在庫率(総消費量に対する期末在庫量)は、11.3%(同2.4ポイント増)と、前年度を上回ると見込まれている。
生産者平均販売価格は、1ブッシェル当たり4.20米ドル(608円。1キログラム当たり24円:1米ドル=144.87円(注2)、同3.4%安)と前年度からやや下落する見込みである。
(注1)1ブッシェルを約25.401キログラムとして農畜産業振興機構が換算。
(注2)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2025年5月末TTS相場。
【岡田 真希奈 令和7年6月17日発】
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