■参考1:中国における動物遺伝資源の取り組み状況(注4)
(1) 中国の家畜・家きんの種類は33種、品種数では1018個であり、うち地方品種が604個(59.3%)、育成品種が281個(27.6%)、外国・地域からの導入品種が133個(13.1%)である。国連食糧農業機関(FAO)に登記されている家畜・家きん品種のうち中国は12.3%を占め、このうち、豚、水牛、ヤク、羊、ヤギ、ロバ、ラクダ、鶏、鴨、ガチョウなどは世界一である。これらのほか、蜂、蚕の品種資源がそれぞれ39個、307個ある。
(2) 蜂、蚕を含む家畜・家きんの遺伝資源保有主体として保護している組織・団体は227カ所あり、うち保護飼育場が191カ所、保護区が25カ所、データバンクが11カ所である。これらの組織などが保護する合計159個の国家級保護品種については、いずれも生物体での保護を実現し、必要な時に活用できる体制を整備した。国家家畜遺伝資源データバンクでの保存データ数は135万を超え、世界一の量を誇る。2023年末の家畜・家きんの種豚・種牛種鶏などの飼育場(拠点含む)は9514カ所に上る。
(3) 23年に中国が輸入した種畜・種きんは合計82万頭(羽)であり、うち種豚が6135頭で前年比5%増、内訳は米国(57%)、デンマーク(32%)、フランス(11%)である。種牛のうち乳牛は3.5万頭で同68%減、内訳は豪州(60%)、ニュージーランド(NZ、29%)などである。同じく肉牛は164頭で、内訳はNZ(79%)、豪州(21%)であった。
(注4)中国農業農村部種業管理司(「司」は日本の農林水産省の「局」に相当)および全国畜牧総拠点が毎年編纂している「中国家きん・家畜種業発展報告2024」から。本文の(1)、(2)はいずれも第三次悉皆調査の成果として報告されている。同悉皆調査については「中国農業農村部、畜種や野菜など種苗振興に関する政策の中間総括を実施(中国)」(令和6年7月9日発)をご参照ください。
■参考2:中国における植物種苗会社の経営状況など(注5)
(1) 農作物種業会社は8721社(23年末)であり、5年前の2019年の6393社から26.7%増加した。種苗販売の売上げが年間1億元以上(20億円:1元=20.49円
(注6))の会社は231社、うち10億円以上の会社は10社である。
(2) 2023年末、国家作物遺伝資源長期保存バンクの総保存数は55万6700点に上る。23年の1年間で新たに2万3000点の遺伝資源、637の作物種を収集し、このうち1万7000点については遺伝資源の分類整理をした上でバンク内に保存した。
(3) 2023年にはオンラインでの遺伝資源共有・利用システムの運用を始め、既に100の作物種で合計2万点の遺伝資源の活用ができるようになっている。同年、国家遺伝資源バンク(圃場(ほじょう))で実際に活用された遺伝資源は13万5000点であり、利用主体は1022に上った。また、利用活用に向けた普及活動を実施し、合計75回の普及活動を行い、オフラインの活動では合計1万人が、オンラインの活動では150万人以上が参加した。
(注5)中国農業農村部種業管理司などが毎年編纂している「中国農作物種業発展報告2024」から。
(注6)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均為替相場」の2025年6月末日TTS相場を使用した。