米国農務省による世界の大豆需給予測（2025年8月）

　米国農務省世界農業観測ボード（USDA/WAOB）および米国農務省海外農業局（USDA/FAS）は2025年8月12日、2025/26年度の世界の大豆需給予測値を更新した（表）。

　これによると、同年度の世界の大豆生産量は4億2639万トン（前年度比0.6％増）と前月から129万トン下方修正された。このうち、最大の生産国であるブラジルは前月から据え置かれたが、これに次ぐ米国は、前月に続く作付面積の減少を受けて、前月から116万トン下方修正された。
　輸入量は、世界全体で1億8586万トン（同4.2％増）と前月から20万トン下方修正された。このうち、最大の輸入国である中国は1億1200万トン（前年度比5.2％増）と前月から据え置かれた。
　消費量（搾油仕向け）は、世界全体で3億6771万トン（同3.7％増）と前月から据え置かれた。このうち、最大の消費国である中国は1億800万トン（同4.9％増）と同様に据え置かれた。
　輸出量は、世界全体で1億8744万トン（同3.1％増）と前月から19万トン下方修正された。このうち、最大の輸出国であるブラジルは前月から据え置かれたが、これに次ぐ米国は、バイオ燃料向け大豆油の国内需要増加などに加え、供給量の減少などにより前月から109万トン下方修正された。
　期末在庫は、生産量の下方修正などを反映して1億2490万トン（同0.2％減）と前月から117万トン下方修正された。
　今回の予測値に関して中国の輸入量に目を向けると、同日付で中国農業農村部が公表した25/26年度の中国の大豆輸入量9580万トンとUSDAの予測値には、引き続き1620万トンの乖離がある。米国のトランプ大統領は8月10日、自身の交流サイト（SNS）に中国が米国産大豆の購入を4倍に拡大することを望むと投稿している。今後の両国間の貿易交渉の行方を含めて、国際相場にも影響する中国の輸入動向が注目される。