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2024/25年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第12回)を公表(ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2025年9月11日、2024/25年度第12回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである。

24/25年度トウモロコシ生産量は引き続き上方修正、前年度比20.9%増と過去最大の見込み

 2024/25年度のトウモロコシ生産量は、前回(2025年8月)より269万700トン上方修正の1億3969万5800トン(前年度比20.9%増)と、CONABが統計を取り始めて以来最大と見込まれている(表1、図1〜2)。これは、作付面積(同3.8%増)と単収(同16.5%増)がいずれも前年度を上回るとの見通しによるものである。
表1 2024/25年度の主要穀物等の生産予測
図1 トウモロコシと大豆の生産量の推移
図2 2024/25年度の生産予測の推移
 内訳を見ると、全生産量の2割を占める第1期作の生産量は、2493万5800トン(同8.6%増)と前回から据え置かれ、前年度をかなりの程度上回ると見込まれている。第1期作の収穫は、8月中にすべての州で終了した。リオグランデ・ド・スル州では、25/26年度の第1期作の播種作業が始まっており、8月末時点で同州全体の作付面積に対して32%の進捗率となっている。
 また、全生産量の8割を占める第2期作の生産量は、1億1203万2800トン(同24.4%増)と前回から246万5600トン上方修正され、前年度を大幅に上回ると見込まれている。第2期作の収穫は、平年並みの進捗率で推移しており、9月初旬には作付面積全体の97%に達し、中旬には終了が見込まれている。既に収穫が終了しているマットグロッソ州では、施肥や防除を効果的に行ったことに加えて、天候に恵まれたことで単収が向上した結果、同州のみで第2期作全体の生産量の49%を占めた。
 24/25年度のトウモロコシ需給を見ると、生産量が上方修正されたものの、輸出量は前回から据え置きの4000万トン(同3.9%増)となり、期末在庫は前年度を大幅に上回ると見込まれている(表2)。
表2 ブラジルのトウモロコシ需給動向

24/25年度大豆生産量は引き続き上方修正、前年度比13. 3%増と過去最大の見込み

 2024/25年度の大豆生産量は、1億7147万2300トン(前年度比13. 3%増)と、CONABが統計を取り始めて以来最大と見込まれている(表1、図1〜2)。これは、作付面積(同2.7%増)と単収(同10.3%増)がいずれも前年度を上回るとの見通しによるものである。
 24/25年度の大豆需給を見ると、生産量が前回から181万5300トン上方修正されたことにより、輸出量も1億665万5100トン(同7.9%増)と前回から40万1500トン上方修正されたものの、期末在庫は前年度を大幅に上回ると見込まれている(表3)。
表3 ブラジルの大豆需給動向
 今回の調査で、CONABは大豆の作付面積と単収について見直しを行ったことで、20/21年度から24/25年度の生産量が調整されている。また、併せて期末在庫もブラジル地理統計院(IBGE)が公表した数値に基づき調整されている。
【原田 祥太 令和7年9月25日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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