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食品安全に関する認識の調査結果、前回より認知度が向上(EU)

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 欧州食品安全機関(EFSA)は2025年9月24日、EU市民を対象に実施した食品安全に関する認識と態度の調査「2025年EU食品安全ユーロバロメーター」の結果を発表した。

食品選択の際、価格を重視する割合が増加

 「食品安全に関心がある」と回答した割合は全体の72%で、加盟国別ではギリシャが98%と最も高く、ポーランドが40%と最も低かった。
 食品を選択する際に重視する項目(7項目から3項目を選択)としては、価格(60%)、味(51%)、安全性(46%)が上位を占めた。前回調査(22年)と比較すると、価格を重視する回答は6ポイント増加しており、物価高騰による生活費抑制の意識が背景にあると考えられている(図1)。
図1

ドイツではアニマルウェルフェアに関する認知度が高い

 食品安全に関する15のトピックについては、「食品添加物」(71%)、「残留農薬」(67%)、「動物由来の疾病」(65%)、「肉類中の残留抗生物質など」(64%)に対する高い認知度が示された。15トピックすべてにおいて、前回調査から認知度が向上しており、特に「食品中のマイクロプラスチック」(63%)は前回比8ポイント増と最も増加した(図2)。
図2
 加盟国別に最も認知度が高かったトピックを見ると、スウェーデンやデンマークなど15加盟国では「食品添加物」、ギリシャやフランスなど6加盟国では「残留農薬」であった。「肉類中の残留抗生物質など」はスロバキア、クロアチアなど4加盟国で、「動物由来の疾病」はブルガリア、イタリア、チェコで高い認知度を示した。ドイツでは「食品中のマイクロプラスチック」と並んで「アニマルウェルフェア」(74%)が最も高い認知度を示している(図3)。
図3
 食品安全に関するトピックを認知していた者に対し、懸念するトピックを最大5つまで挙げる調査も実施された。この結果、懸念事項として多く挙げられたのは「食品中の残留農薬」(39%)、「肉類中の残留抗生物質など」(36%)、「食品添加物」(35%)、「食品中のマイクロプラスチック」(33%)、「食中毒」(32%)であった。

健康的な食事を重視する傾向

 食品安全リスクと健康的な食事のうちどちらをより重視するかという調査では、41%の回答者が「同程度」と回答した。「健康的な食事を考慮する」が34%、「食品安全リスクを考慮する」は23%となり、健康的な食生活への関心があることが明らかとなった。
 健康的な食事において重要だと考える事項としては、「果物や野菜の摂取増」(53%)、「糖分の摂取減」(41%)、「脂肪分の摂取減」(40%)などが上位に挙げられた。一方、「食肉や乳製品の摂取減」は前回比3ポイント減の18%であった。
【調査情報部 令和7年10月15日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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