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2025/26年度主要穀物の生産状況等の調査結果(第1回)を公表 (ブラジル)

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 ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は2025年10月14日、2025/26年度(25年9月〜26年8月までに播種されるもの) 第1回目となる主要穀物の生産状況等調査結果を公表した。この調査は、春植えの夏期作物(大豆、第1期作トウモロコシなど)や秋植えの冬期作物(第2期作・第3期作トウモロコシ、小麦、大麦、ライ麦など)の生産予測を毎月公表するものである(図1)。
図1 ブラジルの大豆・トウモロコシの生育カレンダー

25/26年度トウモロコシ生産量は単収の減少により前年度比1.8%減の見込み

 2025/26年度のトウモロコシ生産量は、1億3860万3800トン(前年度比1.8%減)と前年度をわずかに下回ると見込まれている(表1、図2)。これは、トウモロコシの需要拡大に伴い、販売価格が上昇するのではないかという期待から、米やフェイジョン(インゲン豆類)からの転換が進むとされ、作付面積(同3.9%増)は前年度をやや上回ると見込まれているものの、前年度は非常に良好な天候に恵まれたということが考慮され、単収(同5.4%減)は前年度をやや下回る見込みとなったからである。
表1 2025/26年度の主要穀物等の生産予測
図2 トウモロコシと大豆の生産量の推移
 内訳を見ると、全生産量の2割を占める第1期作の生産量は、2563万2400トン(同2.8%増)と前年度をわずかに上回ると見込まれている。第1期作の播種は、10月初旬時点で、作付面積全体の29.1%と、平年を上回る進捗率で推移している。サンタカタリーナ州とリオグランデ・ド・スル州では、低温による影響で、発芽と初期生育に遅れが生じたが、全体的には天候にも恵まれ、生育状況は良好である。
 また、全生産量の8割を占める第2期作の生産量は、1億1046万400トン(同2.5%減)と前年度をわずかに下回ると見込まれている。第2期作の播種は12月末から始まる予定である。
 25/26年度のトウモロコシ需給を見ると、生産量(同1.8%減)は減少が見込まれているものの、過去最大を記録した前年度の在庫が加わることで総供給量(同6.7%増)はかなりの程度増加する見込みであり、それに伴い輸出量は4650万トン(同16.3%増)と前年度を大幅に上回ると見込まれている(表2)。
表2 ブラジルのトウモロコシ需給動向

25/26年度大豆生産量は作付面積の増加により前年度比3.6%増の見込み

 2025/26年度の大豆生産量は、1億7763万8600トン(前年度比3.6%増)と前年度をやや上回り、過去最大となる見込みである(表1、図2)。これは、単収(同0.1%減)は前年度並みに留まるものの、大豆の収益性が維持されていることから、米からの転換や新規農地の開発が進むとされ、作付面積(同3.6%増)がやや増加するとの見通しによるものである。なお、10月中旬時点での播種の進捗率は、11.1%と、平年(16.9%)をやや下回って推移している。
 25/26年度の大豆需給を見ると、生産量(同3.6%増)の増加に加え、過去最大を記録した前年度の在庫が加わることで総供給量(同5.1%増)はやや増加する見込みである(表3)。この状況に加え、世界的な需要が増加するなか、米国は作付面積の縮小を受けて供給量が減少し、それに伴って輸出量も減少するとの予測から、ブラジルの輸出量は1億1211万5500トン(同5.1%増)と前年度をやや上回ると見込まれている。
表3 ブラジルの大豆需給動向
【原田 祥太 令和7年10月28日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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