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米国人のための食生活指針が改訂、食肉関係団体は賞賛(米国)

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 米国において2026年1月7日、米国保健福祉省(HHS)のケネディ長官および米国農務省(USDA)のロリンズ長官は共同で、2025−30年版の「米国人のための食生活指針」(DGA)を発表した。DGAは、連邦政府における栄養プログラムなどの施策のベースとして活用されており、5年に1度改定されることとなっている。今般の改定の発表を受け、米国農業生産者のうち主に食肉および酪農関係団体から賞賛および賛同を得ている。

1.発表されたDGAの概要

 DGAは、USDAおよびHHSが所管する補助的栄養支援プログラム、女性・乳児・子供のための特別栄養補給プログラムや学校給食プログラムなどにおいて提供される食事・飲料の種類や数量に反映される指針であり、策定にあたっては、「米国食生活指針諮問委員会」(DGAC)が作成した科学報告書を参照することとされている。今回発表されたDGAにおいては、2024年12月に公表された科学報告書(注1)の内容に対して懸念事項があるとし、勧告事項についてそれぞれ採用・不採用を示した上で、策定に向けて科学的な根拠をさらに収集するための追加的な調査が行われたとされている。
(注1)科学報告書の詳細については、海外情報「食生活指針諮問委員会、食肉および卵の摂取量を減らすよう提言(米国)(令和7年1月7日発)」(https://www.alic.go.jp/chosa-c/joho01_004000.html)をご参照ください。

 今般策定されたDGAでは、健康の基盤は医薬品ではなく食品であることを再確立するべく、下記図に記載する食品ピラミッド(注2)を復活させ、栄養教育および啓発活動を行うこととしている。DGAの中では、より多くのたんぱく質、牛乳・乳製品、青果物、全粒穀物や全粒粉を使用した製品の摂取を推奨している。特に、(1)たんぱく質を毎回の食事において優先的に取り入れること、(2)牛乳・乳製品については、低脂肪・無脂肪の製品に限定するのではなく、乳脂肪分を除去していない全乳などを摂取すること、(3)野菜や果実は生鮮品を調理し摂取すること―を推奨し、高度に加工された食品、糖類や添加物などが加えられた食品を制限することなどが強調されている。

(注2)米国において、摂取するべき食事のバランスを示すものとして2011年までピラミッド型の模式図が使用されていたが、皿(プレート)の模式図を用いることに伴い廃止されていた。
 
図 米国人のための食生活指針(DGA)に掲載された食品ピラミッド
 また、今般の改定において、DGAは過去のものから比べると簡略化され、推奨される摂取数量についても、(1)たんぱく質食品、(2)牛乳・乳製品、(3)野菜、(4)果実、(5)全粒穀物、(6)油脂の大まかなカテゴリーごとに示されている。
表 DGAに掲載された1日あたりのカテゴリーごとの摂取量目安

2.業界の反応

 アメリカン・ファーム・ビューロー・フェデレーション(AFBF)はDGA改定に際し、「AFBFは、安全で栄養価の高い食料を生産する米国の農家と牧場主の重要性を認識したHHSとUSDAに感謝する。新たな食事ガイドラインでは、高品質なたんぱく質、牛乳・乳製品、新鮮な果物や野菜を優先する価値を認めている」と賛同するコメントを発表した。また、北米食肉協会(NAMI)をはじめ、全国肉牛生産者・牛肉協会(NCBA)、全米鶏肉協議会(NCC)、全米豚肉生産者協議会(NPPC)などの食肉関係団体は今回の改定を賞賛している。
 酪農関係団体についても乳脂肪を調整しない製品についての活用・摂取について賛同を示す一方、国際乳食品協会(IDFA)は声明で、「高度に加工された食品」という不明確な用語を用いて指針を策定することはチーズやヨーグルトのような食品の摂取を阻害するリスクがあるとした。
【調査情報部 令和8年1月22日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532