表題の「目標を定め」は従来、農業関係政府文書で用いられることが少なく、着実に成果を出すとの意思が感じられる。2026年は第15次5カ年計画
(注3)の初年度であり、一号文件は「これからの5カ年は全面的に発展するための鍵となる時期であり、農業農村領域で突出している弱点の補完を加速し、農業強国の建設を加速する」必要があるとした。その上で、今後の取り組み方針として、1)農業の総合的な生産能力、品質および効率性の向上、2)農村生活支援の常態化
(注4)、3)農民の収入向上の積極的な促進、4)その土地に合った国土の利用と美しい農村の建設、5)農地利用などの制度・枠組みの刷新、6)中国共産党による農村振興の牽引−を掲げた。
これを受け、実施意見は、1)重要農産物の安定供給、2)農村生活支援の常態化と脱貧困の状態の堅持、3)技術を基盤とした農業生産力の刷新、4)インフラ整備による美しい村の建設、5)農地請負制、集団経済などの一層の改革−を推進するとした。
(注3)中国は5カ年毎に計画を策定しており、2026年から31年までが第15次5カ年計画期間となる。第14次5カ年計画期間である25年一号文件に対する成果については、海外情報「中国農業農村部、25年の成果と26年に向けた取り組みを公表(中国)」(令和8年2月5日発)をご参照ください。
(注4)原文の直訳は「精確な生活支援を常態化する」で、26年一号文件で初めて打ち出された政策スローガン。中国共産党は貧困対策を党是としており、第13次5カ年計画期間の最終年には貧困県が消滅、第14次5カ年計画期間は貧困に再び陥る地域がないよう政府を挙げて、浄化槽や安全な飲用水の確保といった基礎インフラの整備、農業保険の普及や就労支援などによる農村生活水準の向上に力を入れてきた。今期第15次5カ年計画期間ではその成果を着実なものとし、常態化するとした。