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2004年以降初めて、商用の養豚施設においてオーエスキー病が確認(米国)

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 米国農務省動植物衛生検査局(USDA/APHIS)は2026年4月30日、アイオワ州の小規模な商用の養豚施設において、オーエスキー病(注1)の抗体が検出されたことを確認した。米国において商用の養豚関連施設で本病が確認されたのは04年以降初めてのことである。雄豚の搬入元であるテキサス州の農場と疫学的な関連があるとされており、現在、追跡調査が実施中である。
(注1)オーエスキー病は仮性狂犬病(Pseudorabies)とも呼ばれ、豚などに神経症状を引き起こす疾病。まれに犬や猫などの動物にも感染するが、人は本病にり患しない。

1.米国のオーエスキー病の発生状況

 米国においてオーエスキー病は、農場におけるバイオセキュリティの強化等の取組によって、2004年以降商用の養豚関連施設では清浄性が確認されていた。USDA/APHISのウェブサイトによれば、飼養豚へのワクチン接種は原則として行わず、野生豚などからの感染防止に取り組んでいる。農場によっては本病の清浄性維持プログラムに加入しており、定期的な検査が行われている。今回の事例においては、農場における定期検査において、テキサス州の農場から導入された雄豚5頭の感染が確認された。本病は野生豚においては広く存在しており、テキサス州(注2)のような野生の豚が分布している地域では、屋外飼育を実施している養豚関連施設において感染リスクが高まることとなる。今回の感染確認事例についても、疫学調査の初期段階の結果において、感染した5頭の雄豚はテキサス州の屋外飼育の施設から搬入されたものであることが判明し、同じ群の豚からもオーエスキー病の陽性反応が確認されたとのことである。
(注2)米国の野生の豚の分布や対策については海外情報「春に入り米国における野生豚や捕食動物の活動が活発化(米国)」もご参照ください。

2.発生後の対応と豚肉生産への影響

 今般オーエスキー病の感染が確認された農場は飼養頭数100頭以下の小規模な農場となっており、当該農場で飼養されている豚は全頭殺処分された。飼養豚全体の検査の結果、抗体が検出された5頭から他の飼養豚への感染は確認されず、今回の発生が局所的なものであるとされ、周辺の農場におけるワクチン接種は不要であるとしている。米国においては、豚繁殖・呼吸障害症候群(PRRS)や豚流行性下痢(PED)による養豚産業への影響が大きい一方で、今回確認されたオーエスキー病の感染事例による豚肉生産量への影響は大きくないと考えられている。米国では2020年以降、繁殖母豚数は減少傾向であるが、母豚1頭当たりの産子数の増加等により豚肉生産量は増加傾向となっている。
 オーエスキー病に係る国際獣疫病事務局(WOAH)の陸生動物衛生規約(Terrestrial Code)によると、豚の頭部および内臓(胸腔・腹腔臓器)を除く豚肉(正肉)については安全物品(Safe Commodity)とされている。そのため、本病の発生に伴って豚肉の輸入制限をすることはできないとされており、米国食肉輸出連合会(USMEF)の発表では豚肉輸出への影響はないとみている。一方で、本病の発生に伴いカナダは米国産の豚のハナ(鼻)の輸入制限を講じており、メキシコも米国産の豚の内臓肉に対して輸入制限を講じている(注3)。また、USDAは、今回のオーエスキー病の発生を踏まえ、米国の生体の豚又は遺伝資源の輸出について、限定的かつ短期的な影響が生じる可能性があるとしている。
(注3)5月21日時点のUSDA/APHISのウェブサイトによると、米国とメキシコの当局間において交渉が継続しているため輸入制限の詳細は未定とされている。
【調査情報部 令和8年5月29日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-9532