2026/27年度予算案、エネルギー安全保障に注力(NZ)
ニュージーランド(NZ)のウィリス財務大臣は2026年5月28日、2026/27年度(7月〜翌6月)予算案を発表した。26年11月に総選挙を控える中、票を集めるための場当たり的な対策はせず、財政の健全化を優先するとし、28/29年度までに政府の経常収支黒字化を達成する見通しが掲げられた。予算案の内容については、NZの安全保障と経済強靭化を主要なテーマとし、主な新規支出として医療分野のサービス拡充に58億3950万NZドル(5652億482万円:1NZドル=96.79円(注1))、高速道路の延伸に17億7300万NZドル(1716億867万円)などが計上された。
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の26年5月末TTS相場。
農業関連予算では、新たな支援として野生化した針葉樹林の防除プログラムがバイオセキュリティ対策に組み込まれ、26/27年度単年で13億4248万NZドル(1299億3825万円)が措置されている(図)。昨年度予算と比較すると、上記支援の追加などによりバイオセキュリティ対策が大きくなっており、全体の予算規模は前年度比19.9%増となっている(補正分は考慮していない)。一方、その他の項目に大きな変化が見られず、農業に特化した新たな施策の展開などに関する発表も見られなかった。
また、農業に特化した予算ではないが、関連する新規予算の詳細は以下の通り。なお、各予算額は今後4年間の総額となる。
1.燃料費高騰への対応、エネルギー安全保障の強化
(5億6420万NZドル:546億911万円)
社会インフラとして継続が不可欠な行政サービス(医療など)を対象に燃料費高騰に対応するための支援を行うとともに、食品加工を含む製造業者を主な対象として、天然ガス使用量の削減とエネルギーの転換を支援するため、12億NZドル(1161億4800万円)規模(注2)の融資制度を創設する。また、戦略的燃料備蓄の拡大によりエネルギー基盤の強靭化を図る。
(注2)融資制度への資金注入は、別予算の経費削減によって生じる資金が充当されるため、新規予算の計上分と融資制度の規模感は一致しない。
2.資源管理法改革―新システムの導入―
(3億749万NZドル:297億6080万円)
2026年中に予定されている天然資源の持続的な利用を定めた資源管理法の改正に伴い、新たな規制枠組み文書の作成、法改正に対応した自治体・企業向けの一元化デジタルプラットフォームの構築、土地利用・開発計画に関する異議申し立てを扱う専門の審判機関の設置などを支援する。
3.地域の食料支援、朝食プログラムの提供
(3800万NZドル:3678万200円)
継続的な生活費の高騰に対応するため、フードバンクなどを通じて各地域で食料を低価格または無償で提供する取り組み「Food Secure Communities」、支援が必要な子どもを対象にNZ全土の学校で栄養価の高い朝食(牛乳・シリアル)を無償で提供する「KickStart Breakfast」プログラムの実施を支援する。
【調査情報部 令和8年6月5日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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