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欧州委員会、抗菌剤使用に関する第三国リストからブラジルを削除(EU、ブラジル) 〜リスト非掲載国は9月3日からEUへの畜産物輸出は不可〜

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 欧州委員会は2026年6月4日、「特定の抗菌剤の使用禁止に関するEUに輸入される動物または動物由来製品の承認第三国リスト」(以下「抗菌剤使用に関する第三国リスト」という)を改正する実施規則(EU)2026/1189を制定し、この第三国リストからブラジルを削除した。
 EUは畜水産物の生産段階における抗菌剤の使用を制限しており、EU市場で畜水産物を流通させるためには、(1)ヒトにおける特定の感染症の治療に使用が限定される抗菌剤リスト(注1)に掲載された抗菌剤が使用されていないこと、(2)成長促進目的での抗菌剤投与が行われていないこと、の2つの要件を満たす必要がある。これら要件が遵守されているとEUが認めた国または地域は、動物種や動物性由来製品ごとに、抗菌剤使用に関する第三国リストに掲載される。
 改正前、ブラジルはウシ、ウマ、家きん、水産養殖物、はちみつおよびケーシングについて同リストに掲載されていたが、今回の改正ですべて削除された(図)。欧州委員会はその理由について、上記の要件の遵守を確保するために必要な措置が実施されていることを示す情報が得られていないため、としている。
 当該リストの適用は26年9月3日からであり、このまま非掲載の状態が継続した場合、同日以降、同国からのEUへの畜産物輸出は不可能となる。

(注1)人医療に使用が限定される抗菌剤リストは、実施規則(EU)2022/1255で定められている
図 抗菌剤使用に関する第三国リストのブラジル該当部分の比較

ブラジルからの輸入状況

 EUにとってブラジルは、牛肉および家きん肉の主要輸入先国の一つである。25年の輸入量は、牛肉が8万3249トン(シェア25.7%)、家きん肉は8万8422トン(同22.9%)であった(表)。
 一方、ブラジルから見ると、同年のEU向け輸出量が全体に占める割合は、牛肉が約4%、家きん肉が約2%であった。なお、EUとブラジルを含むメルコスール諸国との間では、5月1日から貿易協定の暫定適用が開始され、牛肉や家きん肉に対する関税割当が設定されている(注2)

(注2)詳細は、海外情報「EUメルコスール貿易協定、5月1日から暫定適用開始(EU)」を参照されたい。なお、ブラジル以外のメルコスール諸国については、ウルグアイの水産養殖物が抗菌剤使用に関する第三国リストに掲載された以外、今回の改正における同リストの変更はない。
表 EUのブラジルからの牛肉および家きん肉輸入量

ブラジル政府の反応

 ブラジル政府は、抗菌剤使用に関する第三国リストから同国が削除されるとの報道があった5月12日に声明を発表し、「今回の欧州委員会の決定には大変驚いている。EUへの輸出を継続するため、リスト再掲載に向け必要なあらゆる措置を直ちに講じる」とした。 欧州委員会は、ブラジルが規制に準拠していることが証明されれば、同リストへの再掲載は可能であるとし、ブラジル当局と緊密に連携していくとしている。
【調査情報部 令和8年6月17日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際情報グループ)
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