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成長戦略の下で市場拡大を目指す豪州生体牛輸出産業(豪州・インドネシア)

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10カ年成長戦略で市場拡大を目指す

 豪州の業界団体は2026年8月18日、「豪州の生体牛業界の10年間の成長戦略(2026−35)」を公表した。同戦略では、生体牛輸出産業の持続的な成長に向け、政府および地域社会からの生体牛輸出の支持拡大、政策および規制環境の安定化、商業成長の促進、貿易関係の強化を重点目標に掲げている。これに対し、豪州連邦政府のコリンズ農林水産大臣は、同戦略の策定を支持し、豪州の生体牛輸出産業に対する豪州連邦政府の支援を改めて表明した。
 また、業界関係者からも同戦略を評価する声が相次いだ。豪州家畜輸出業者協会(ALEC)バック会長は、「同戦略は市場拡大や投資環境の改善、安定した政策・規制環境の構築を通じて、生体牛輸出産業の持続的な成長を支える基盤となる」と述べ、生体牛輸出は肉牛・酪農産業を支える重要な販路であり、主要輸出先であるインドネシアとの長年の協力関係の重要性を強調した。これに対し、ライブコープ(LiveCorp)、キャトル・オーストラリア(CA:Cattle Australia)、豪州酪農家連盟(ADF:Australian Dairy Farmers)の各会長も、同戦略への支持を表明した。

豪州の生体牛輸出動向

 2025年の豪州の生体牛輸出頭数は、79万2077頭(前年比3.4%増)と前年をやや上回り、そのうちインドネシア向けが7割を占めている(図1)。また、26年(1〜7月)の生体牛輸出頭数を見ると、32万8405頭(前年同期比25.4%減)と前年同期を大幅に下回った。国別にみると、インドネシア向けが25万9146頭(同13.5%減)、ベトナム向けが4649頭(同92.9%減)と、いずれも減少した。豪州現地報道によると、インドネシア向けの生体牛輸出の減少は、豪州産生体牛価格の高止まりや豪ドル高、輸送コストの上昇に加え、低調な消費動向やインドネシア政府による同国内の販売価格規制、安価な冷蔵・冷凍牛肉の輸入増加などが要因とみられている。ベトナム向けについても、豪州産生体牛価格の高止まりや豪ドル高による輸入採算の悪化を背景に輸出が減少しており、より安価なタイ産生体牛への需要のシフトが進んだとみられる。
図1
 インドネシアにとって、豪州は最大の生体牛輸入先となっている。25年の豪州からインドネシア向けの生体牛輸出頭数の内訳を見ると、肥育牛が56万6552頭(前年比6.1%増)、繁殖牛は4859頭(同69.3%増)、その他は1万1997頭(同57倍増)と、いずれも前年から増加した(図2)。しかし、26年1〜7月の輸出頭数の内訳を見ると、いずれも前年同期を下回る水準にある。
図2
 豪州の生体家畜輸出業界団体であるライブコープは26年7月24日、生体家畜輸出に関する業界報告書を発表した。報告書には、25年のインドネシア向け輸出の増加要因として、生体牛の安定供給や価格競争力に加え、ラマダン需要を見据えた現地肥育業者の積極的な導入を挙げた。また、豪州政府によるインドネシアでの口蹄疫などの疾病対策支援や、両国政府による継続的な支持も輸出拡大を後押ししたとしている。さらに、乳用牛のメキシコおよびトルコ向けの再開や、イラク向けの開始といった輸出先の多角化が進むとともに、繁殖牛輸出も増加したと報告している。

乳用後継牛市場の拡大に期待

 ALECは26年8月25日、乳用後継牛に対する国際的な需要が高まる中、豪州の酪農家に新たな輸出機会が広がっているとの見解を示した。需要先としてトルコ、フィリピン、メキシコ、パキスタン、アラブ首長国連邦(UAE)、インドネシア、マレーシアなどが挙げられている。
 同協会のハーヴィー・サットン最高経営責任者(CEO)は、「輸出先市場の多角化は豪州産乳用後継牛の安定的な販売機会の確保につながる」とした上で、「生体牛輸出は豪州酪農業界においてニッチな分野ではあるものの、今後の需要拡大を見据え、質の高い乳用後継牛の安定供給が重要になる」と述べた。
また、業界団体は、生体牛輸出を取り巻く環境が変化する中、新たな需要の開拓が今後の業界成長を支える重要な要素になるとみている。
【田中 美宇 令和8年9月2日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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