豪州園芸業界、今後5年で輸出額倍増を目指す新たな輸出戦略を発表(豪州)
最終更新日:2026年9月18日
豪州園芸業界の非営利研究開発法人であるホート・イノベーションは2026年9月9日、24/25年度では35億豪ドル(4082億7500万円:1豪ドル=116.65円(注1))であった園芸作物の年間輸出額を、31/32年度には70億豪ドル(8165億5000万円)まで倍増させる野心的な目標を掲げた新戦略を公表した。
(注1)三菱UFJリサーチ&コンサルティング株式会社「月末・月中平均の為替相場」の2026年8月末TTS相場。
近年、園芸作物の輸出額は果物類とナッツ類にけん引される形で増加しており、2020/21年度から24/25年度までの間に41.0%増加している(表1)。ホート・イノベーションのフィフィールドCEOは、この目標は広範な業界関係者との協議を経て設定したとして、「国内の生産者が生産コストの上昇や収益の伸び悩みにより利益の圧迫に直面し続ける中、輸出の拡大が業界の存続に不可欠であるという結論に達した」と述べている。
戦略の重点はアジア諸国に置かれている。園芸作物の輸出額の約8割をアジア向けが占めており、同地域は今後も有望な市場とみられている。最大の輸出先である中国をはじめ、韓国やシンガポール、タイなどで需要が拡大しており、豪州の園芸作物輸出をけん引している。また、日本も高付加価値市場として重要な位置を占める主要輸出先の一つとなっている(表2)。
ホート・イノベーションは、新戦略に基づき、生産者、輸出業者、政府、貿易相手国と連携し、市場アクセスの改善や輸出体制の強化を進め、長期的な輸出成長を支える環境整備に取り組むとしている。象徴的な事例として挙げられるのが、2024年の日本向け生食用ぶどうの品種制限の撤廃である。これまで日本向け輸出は3品種に限定されていたが、規制緩和により130品種以上の輸出が可能となった。こうした市場アクセスの改善を背景に、25/26年度の日本向け生食用ぶどうの輸出額は過去最大の5147万8630豪ドル(60億498万円)を記録した(図)。
現時点で、ホート・イノベーションは輸出と市場アクセスに関する60のプロジェクトに1億6000万豪ドル(186億6400万円)以上を投資している。また、農場レベルでの課題解決を図るための研究開発や技術面の取り組みも進めている。新戦略の下で業界の成長をどこまで加速できるのか、今後の取り組みと成果が注目される。
【調査情報部 令和8年9月18日発】
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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