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デンマーク政府、慣行豚舎の新設および拡張を一時停止(EU)

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 デンマーク政府は2026年9月23日、慣行的な養豚場の新設および既存養豚場の拡張を一時的に停止すると発表した。本年6月に発足した同国の新たな連立政権は、新政府の基本方針(後述参照)の中で、4者協議(注)による養豚産業の新たな枠組みが整備されるまで、慣行的な養豚場の新設および既存施設の拡張を一時停止する方針を示していた。
 一時停止措置は9月23日以降に提出された申請を対象とし、4週間のパブリックコメント期間を経た後、省令により正式に導入される予定である。省令は10月26日に施行される見込みであり、同措置は27年10月26日まで適用される。

(注)デンマークの農業界、自然・動物・環境団体、食品産業の労使団体および政府の4者による、将来の養豚産業の在り方についての協議

アニマルウェルフェアや環境改善に関する改修などは対象外

 一方、生産拡大を伴わない変更は一時停止措置の対象外とされる。具体的には、アニマルウェルフェア(AW)の向上を目的とした改修や環境改善技術の導入、既存豚舎の建て替えおよびスラリー貯蔵施設の新設などは認められる。また、生産面積が増加しない限り、軽微な変更についても従来どおり実施可能としている。なお、有機養豚および放牧養豚についても適用除外とされており、こうした施設の新設や拡張については、通常の規則に基づいて承認・許可される。

業界の反応

 デンマーク農業理事会の養豚部門は同日、この措置が養豚産業の将来に大きな不確実性をもたらすとして強い懸念を表明した。AWの向上を図るためにはより広い飼養面積が必要であり、豚舎の新設や拡張が停止されれば、政府が求めるAWの向上の実現は困難になると指摘している。
 また、同措置により現在進行中の豚舎建設計画は保留を余儀なくされるほか、金融機関による融資環境の悪化も懸念されるとしている。さらに、個々の農場にとどまらず、農業関連産業を含む農村地域全体に投資停滞の影響が及ぶと強調した。なお、一部の現地報道では、政府による今回の一時停止措置の法的妥当性に疑問を呈する見方も示されている。

新政府の基本方針における養豚産業の方向性

 新政権はデンマークの養豚産業の基本方針として、国内で消費または輸出向けに加工される豚肉の需要に見合った生産体制の確立を掲げている。これにより、子豚の輸出を減少させ、国内での付加価値創出を促進することで、養豚産業の構造転換を図る考えを示している。
 また、AWの厳格な履行に加え、過度の品種改良の禁止、断尾の禁止、分娩クレート使用の廃止、離乳日齢の最低4週間への引き上げ、飼養面積の拡大や遊具資材の充実などを推進する方針も示している。
【渡辺 淳一 令和8年10月1日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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