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インターネット取引における食品安全取締を強化(中国)

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インターネット取引の食品安全規則を公表

 中国では近年、海外からの輸入を含めてインターネットによる食品の取引が増加している。政府もインターネットの活用を通じた健全な産業の育成には積極的であるが、一方で過去に食品安全に対する信頼を揺るがす事件が多発し、その対策が急務とされている。
  国家食品薬品監督管理総局は、2015年10月1日に改正された「食品安全法」に基づき、2016年7月14日に「インターネット取引における食品安全の違法行為を取り締まる方法」を公表し、インターネットを通じた食品取引に際しての具体的な規則と罰則の詳細を定めた。同規則は2016年10月1日付で施行される。
 同規則の定めでは、インターネット上で食品販売サイト(第3者プラットフォームもしくは個人運営サイト)を立ち上げる場合には当局への申請・認可を必要とするほか、販売に際しては、食品安全を確保するため、生産者だけでなく販売者もさまざまな規則に従うよう規定している。国産品への信頼性が低く、近年一般輸入や電子商取引(EC)による輸入・販売が増加している育児用調製粉乳(育粉)についても詳細が定められている。概要は以下の通り。

1.国家食品薬品監督管理総局は、全国レベルで食品安全に対する違法行為の調査・処分を担当し、地方の食品安全担当部局は、担当行政区域内を担当することとし、いかなる組織あるいは個人であっても違法行為の告発ができる。
2.販売サイト運営業者および食品生産・販売業者は、以下を遵守する必要がある。また、これらに違反した場合、5000元(8万円:1元=16円)以上3万元(48万円)以下の罰金が科せられる。
-サイト上で販売する食品の取引情報は、販売した品質保証期限が切れてから6カ月以上保管しなければならない。明確な品質保証期限がな い場合、記録は2年以上保管しなければならない。
-取り扱う食品の名称、成分、原料の生産年月日・産地、品質保証期間、生産者名・住所などの情報表示については、食品販売サイト上の表示と商品ラベルとが一致しなければならない。
-保健食品は、食品販売サイト上の表示と登録情報とが一致しなければならない。非保健食品は、保健機能があるとの明示もしくは暗示をしてはならない。
-育粉については、知能の増加、免疫力を高める、腸管を保護する、などの保健機能があるとの表示をしてはならない。 -食品販売サイトの分かりやすい位置に、営業許可証と食品生産経営許可証を提示する必要がある。
-保健食品、特殊医療用途食品、育粉の販売に当たっては、上記許可証のほか、法に基づき取得が義務づけられている証明書を掲示する必要がある。その際、食品・薬品の監督管理部門のウェブサイトに登録されたそれらの情報へのリンクを貼る必要がある。特に保健食品にあっては、「当該食品が薬物の代替とはならない」ことを明記する必要がある。特殊医療用途食品のうち、特定の栄養処方の食品はインターネット取引をしてはならない。

税制変更に関する補足情報

 なお、これに関連して、海外情報「中国、越境電子商取引に関する税制を変更」に掲載した、保税区等を通じた越境ECに関する制度対象品目リストについて、2016年4月15日に、近年輸入が急増している飲用乳やクリームなどの乳製品の他、塩蔵や燻製処理された牛豚肉、ロイヤルゼリーなどが追加された第2次リストが公表された。現時点の状況は下図の通り。
図 国境を越える電子商取引で小売りされる輸入品に関する品目リスト
【木田 秀一郎 平成28年7月26日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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