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チェコで初、野生いのししにアフリカ豚コレラが発生

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 チェコ政府は6月27日、国内で初めてアフリカ豚コレラ(ASF)が確認されたことを国際獣疫事務局(OIE)に届け出た。ASFは、昨年9月にもウクライナに隣接するモルドバの豚で新たに発生しており、近隣諸国はさらなる拡大に対して警戒を強めている。
チェコで初、野生いのししにアフリカ豚コレラが発生
 チェコ国家獣医局によると、6月21日に同国東部のズリーン州の野生イノシシでASFウイルスの検出が確認された。現地報道などによると感染源は分かっていない。ASFは、豚やいのししに感染し、発熱や全身の出血性病変を特徴とする致死率の高い伝染病である。
 ズリーン州は、チェコと隣接する国で唯一のASF発生国であったポーランドとの国境から約100キロメートル離れているが、ASFが一度も発生していないスロバキアからはその半分以下の距離にある。このことから感染ルートも特定しにくく、隣国ドイツは特に大きな危機感を抱いている。ドイツの豚肉生産量は、EU全体の約4分の1を占め、日本への輸出も多い。
 ASFは、既に発生していたポーランド、ウクライナなどでも本年5月に再発するなど発生が収まる気配はない。ポーランドは先月、発生国だけでなく近隣諸国を巻き込んだ対策を、欧州委員会が講じない限り、自国だけで努力しても効果はない提言していた。
 今回の発生後、デンマーク政府は声明で、チェコからのトラックの消毒などを徹底するよう関係者に伝えた。オーストリアなど他のEU諸国も防疫措置を講じたと発表している。
 欧州地域におけるASFをめぐる今後の動向は、予断を許さない状況である。なお、チェコ産豚肉は主にEU域内に輸出されており、日本へは過去5年間、輸入実績はない。
EU28カ国豚肉生産量割合
【大内田 一弘 平成29年6月30日発】
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