韓国農林畜産食品部(以下、農食品部)は、11月13日に韓国産パプリカの中国への輸出のための検疫条件に関する協議が終了し、覚書を交わしたと明らかにした。中国への輸出に向けては、2007年に中国側による輸入許可を要請してから中国側と検疫交渉を進めてきていたが、今回、12年間の協議の末、韓国産パプリカの中国への輸出の道が開かれた。
今回合意した検疫条件では、パプリカを中国に輸出するためには、(1)韓国による輸出向けの生産地域および選果こん包施設の登録、(2)中国側の同登録の最終承認、(3)輸出初年度に中国からの植物検疫官による韓国の栽培温室の病害虫予察と防除、包装、低温保存管理を確認する合同輸出検査-が必要である。なお、合同輸出検査は、初年度の結果によって、次年度以降も行うか決定するとしている。農食品部は早期に輸出できるよう今回の覚書に先行して、輸出検疫要領を制定・施行しており、現在、19カ所の輸出向け園芸団地の生産地域および選果こん包施設(低温倉庫、栽培温室含む)を中国側に通知し、中国の検疫当局の最終承認を待つばかりとなっている。
農食品部の幹部は「韓国産パプリカのほとんどが日本市場を中心に輸出されている状況で、今回の中国進出は、特定国に集中している偏重現象を緩和し、市場の多様化の助けになることを期待する」としている。
また、現地報道によると、今回の合意は韓国から近いうえ、世界で最も規模が大きく、輸出市場としての潜在能力が大きい中国市場に進出できる基盤を用意したことに意味があるとしている(表、図)。