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2011/12年度の砂糖輸出、2年続きの増産で180万トンも(インド)

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最終更新日:2011年4月27日

 米国農務省(USDA)は4月20日、2010/11年度(10月〜9月)および2011/12年度のインドの砂糖需給見通しを発表した。

2010/11年度および2011/12年度の砂糖生産量は前年度より増加

 砂糖の生産量は、2007/08年度および2008/09年度に減少した後、2010/11年度から回復し、2011/12年度にはさらなる増加が見込まれる。
 インドでは、さとうきびの価格政策により、さとうきびの生産量が、他の作物への作付転換などにより2〜3年周期で変動するシュガーサイクルを繰り返している。このため、砂糖の生産量も同様に短期的に変動する傾向が見られる。
 インド政府は、2010/11年度のさとうきび生産量を3億4050万トンに上方修正し、砂糖生産量も2670万トン(粗糖換算。以下同じ)に修正した。これらは、さとうきびの主産地(中部亜熱帯、南部熱帯地方)においてモンスーン期に適度な降雨があったためである。
 また、2010/11年度の砂糖の輸出量は、OGL方式(注)による50万トンを含む80万トン程度とみられる。
 2011/12年度の砂糖生産量も、モンスーン期の降雨が平年並みと予測されることから、前年度より6%増加し、2830万トンになるとみられる。USDAは同年度の砂糖輸出について、順調な生産が見込まれることにより、前年度を上回る180万トンに達すると予測している。

注:OGL(Open General License)とは、登録を行った業者に対し、個別のライセンスを取得せずに輸出を許可する制度。
図1

国内供給の改善と大口需要の増加により消費量が増加

 砂糖の消費量は、国内供給が改善されたことにより年々増加している。2010/11年度には経済成長が8.5%、人口増加が1.8%と見込まれることから、さらに増加すると予測される。需要の60%を占める飲料メーカー、製パン・製菓メーカーなどの大口ユーザーが、消費の下支えをしていることもあり、消費量は、2010/11年度は2550万トン、2011/12年度は2650万トンと予測されている。

2011/12年度の砂糖価格は安定

 砂糖の価格は、2010/11年度、2011/12年度と2年続きで増産が予測されることから、需給のひっ迫感が解消され、2010年1月をピークに下落している。現在のところ、国内の主要市場では1トン当たり690〜700米ドルと、国際市場価格より若干の安値で取引されている。今後も、国際価格の高騰が国内価格に影響を与える恐れがあるものの、国内供給の改善を反映し、安定的に推移するとみられる。ただし、砂糖価格が低水準に安定すると、製糖工場の収益が悪化し、その結果、農家への代金支払いの遅延が発生する可能性もある。
図2

【木下 瞬 平成23年4月27日発】
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