2011/12年度の砂糖生産は前年度に引き続き低調の見通し(南アフリカ)
最終更新日:2011年4月28日
米国農務省(USDA)は4月27日、2011/12年度(4月〜翌3月)における南アフリカの砂糖需給予測を公表した。これによれば、2011/12年度のさとうきび生産量は1500万トン(前年度比6.3%減)、砂糖生産量は183万7000トン(粗糖換算、同7.0%減)といずれも前年度を下回る見通しである。
南アフリカはわが国の粗糖輸入の約1割を占める。主産地クワズール・ナタール州(同国生産の75%)ではかんがい設備が整備されておらず、天候による生産への影響が大きい。2010/11年度においては、同州の深刻な干ばつにより生産量が過去15年間で最低の水準に落ち込み、輸出量も大幅に減少した。
USDAによる2011/12年度の南アフリカの砂糖需給予測は次の通りである。
さとうきび
・収穫面積
収穫面積は24万5000ヘクタール(前年度比9.3%減)に減少すると見込まれている。南アフリカでは近年、さとうきびの作付けが減少傾向にある。土地の再配分問題が主な原因とみられており、白人農場主は、先行きの不透明さから農地への投資に慎重になっているとされる。
・生産量
さとうきび生産量は1500万トン(同6.3%減)と、前年度と比較してかなりの減少が予測されている。収穫面積の減少に加え、前年度の干ばつが2011/12年度に収穫されるさとうきびの初期生育にも悪影響を及ぼしたことが原因となっている。
砂糖
・生産量
さとうきびの減産により183万7000トン(粗糖換算、同7.0%減)と、生産が過去15年間で最低となった前年度をさらに下回ると見込まれている。
・消費量
経済成長を背景に164万5000トン(粗糖換算、同1.5%増)に増加する見通しである。
・輸出量
減産により45万トン(粗糖換算、同10.0%減)と、前年度と比較してかなりの減少が予測されている。これは、2009/10年度(83万トン)の約半分の水準である。
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