6月2日、米国カーギル社とブラジルUSJグループは、双方、50%ずつ出資し、砂糖、エタノール、バイオ発電について事業合併すると発表した。
USJがゴイアス州に所有する砂糖・エタノール工場(サンフランシスコ工場)と、現在、同州に建設中の工場(カショエイラ・ドウラダ工場:2013年稼働予定)が合併事業の対象となる。両工場のさとうきび圧搾能力は合計で1年間に750万トン、さらに発電能力は1時間当たり120メガワットの見込み。なお、USJが保有するサンパウロ州の本社工場は事業合併に含まれない。カーギルは、2006年に砂糖、エタノール企業のブラジルCevasaグループの株式を64%買収し、いまやブラジルの食物、農業だけでなく、エネルギー分野にも進出しており、今回も事業拡大の一環と思われる。
USJグループは、今回の事業合併で、ゴイアス州を持続可能なさとうきび生産および再生可能エネルギー生産の拠点とし、サプライヤーとして地域の供給網形成に期待する。
(参考)
カーギル社:
本社は米国ミネソタ州。1865年設立し食品、農業、エネルギーの国際企業。世界66か国で従業員13万1000人。ブラジルではサンパウロを拠点とし国内130都市に従業員は7000人。
USJグループ:
本社はブラジル国サンパウロ州。1941年設立し砂糖、エタノール、バイオ発電の企業。ゴイアス州キリノポリス市のサンフランシスコ工場、サンパウロ州アララス市のサン・ジョアン工場で年間約800万トンのさとうきびを処理する中堅企業。従業員は5000人。
【星野 和久 平成23年6月7日発】