ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)は8月11日、国内生産の約9割を占める中南部の生産量について、2011/12砂糖年度(4月〜翌3月)における生産見込みを発表した。今回は、7月13日の第2回発表に続く第3回目の発表で、さとうきびの生産量は前年度比8.4%減の5億1024万トンと予測され、前回予測から4.2ポイント引き下げられる2回連続の下方修正となった。また、砂糖生産量についても、前回に続き下方修正され、前年度比5.8%減の3157万トンと前回から2.4ポイント引き下げられた。
(参考)
2011/12年度の中南部の砂糖の生産量予測を下方修正(ブラジル)
UNICAが今回、2カ月連続で生産量予測を下方修正した要因は、前回指摘した降霜および出穂の影響が、予想を上回ったためとしている。
降霜に関しては、さとうきび生産全体の約6割を占め、現在も収穫が進むサンパウロ州で、寒気により気温が平年を下回っていることから6月末以来、たびたび発生しており、単収が低下する自体を引き起こしている。また、パラナ州やマットグロッソドスル州でも同様の状況であるとされる。ブラジル食糧供給公社(CONAB)によると、向こう3カ月の気候は、平年並みかそれを下回る気温が予想されていることから、今後も霜の発生が懸念される。
さらに出穂に関して、ブラジルにおいて例年ほとんど観測されないが、今年度はサンパウロ州、ゴイアス州およびミナスジェライス州において確認された。気温や湿度、太陽光などの条件が組み合わさったことによって起こった出穂は、さとうきびのエネルギーを消費することから単収の低下を引き起こしたと考えられる。
【岡 千晴 平成23年8月12日発】