ブラジル国家食糧供給公社(CONAB)は8月30日、2011/12砂糖年度(4月〜翌3月)における生産見込みを発表した。今回は、5月の第1回発表に続く第2回目の発表で、さとうきびの生産量は前年度比5.6%減の5億8892万トンと予測され、増加が予測されていた前回予測から8.5ポイント引き下げられた。また、砂糖生産量についても、前年度比2.9%減の3707万トンと同10.1ポイント引き下げられた。今回のCONABの予測は、8月11日に公表されたブラジルさとうきび産業協会(UNICA)の予測とほぼ同様の内容となっている。
(参考)
2011/12年度の中南部のさとうきびおよび砂糖の生産量予測を再下方修正(ブラジル)
CONABが今回、さとうきび生産量を減産と予測した主因は、2010年4〜8月の干ばつ、2011年5月の降雨不足、一部主生産地(サンパウロ州、マットグロッソドスル州およびパラナ州)での降霜、例年ではほとんど見られない出穂、ほ場の更新の停滞により単収が前年(1ヘクタール当たり77,446キログラム)比9.8%減の同69,824キログラムに低下すると分析された。
CONABではほ場の更新は、4回目の株出し後に行う事が推奨しているものの、最近では資金不足から10回以上の株出しが行われているほ場も少なくない。株出しの回数を重ねると単収が向上せず、これにより平均単収の低下に大きな影響を与えているとみられる。CONABによると、6年経過したほ場(単収:1ヘクタール当たり55トン)は、2年のほ場(単収:同115トン)よりも単収が52.2%減少するとしている。
【岡 千晴 平成23年9月5日発】