ブラジルさとうきび産業協会(UNICA)は11月1日、2011/12砂糖年度(4月〜翌3月)における国内生産の主産地である中南部の生産量について、生産見込みを発表した。今回は、今年度、4度目の発表となる。さとうきびの生産量は前年度比12.3%減の4億8850万トンと前回予測(8月11日)から3.9ポイント引き下げられた。また、砂糖生産量については、前年度比8.1%減の3080万トンと前回予測(同)から2.3ポイント引き下げられた。いずれも、3回連続の下方修正となった。
(参考)
2011/12年度の中南部の砂糖の生産量予測を下方修正(ブラジル)
2011/12年度の中南部のさとうきびおよび砂糖の生産量予測を再下方修正(ブラジル)
UNICAが今回、さとうきびの生産量予測をさらに下方修正した背景は、従来から指摘されてきたさとうきびの株の更新の停滞化、2年連続となる冬の降雨不足、降霜および出穂による単収の低下に加え、新たに(1)赤さび病など病気の発生、(2)害虫の発生、(3)単収が低いほ場の拡大を挙げている。
旧来からの生産地であるサンパウロ州では、単収が20年間で最も低く、収穫されるさとうきびの量が約5000万トン減となるとされているが、ゴイアス州、マットグロッソ州およびマットグロッソドスル州といった近年、生産が拡大している地域での単収の低下は比較的少ないとされる。
一方、ATR(さとうきび1トン当たりの回収糖分)は、前回の予測より1.5ポイント上方修正されたため、砂糖とエタノールの減少幅は、さとうきびの減少幅に比べて、圧縮された形となっている。
【岡 千晴 平成23年11月2日発】