EU:農相理事会で12カ国が砂糖の生産割当制度の継続を支持
最終更新日:2011年11月22日
ハンガリーなど12カ国が2015/16年度以降も砂糖の生産割当制度継続を要望
11月14日にブリュッセルで開催された農相理事会においてハンガリーは、2015/16砂糖年度(10月〜翌9月)以降も現行の砂糖の生産割当制度を継続することを要望した。これは、欧州委員会が10月12日に提案した2015/16年度以降の同制度の廃止案に異議を唱えるものである(関連記事:
欧州委員会、2015/16年度以降砂糖の生産割当制度廃止を提案)。農相理事会のプレスリリースによれば、ハンガリーからの同制度の継続案に対し、ベルギー、チェコ、ドイツ、スペイン、フランス、リトアニア、オーストリア、ポルトガル、スロバキア、フィンランド、ルーマニアの11カ国が支持したとされる。一方、アイルランド、ラトビア、スロベニア、イギリスの4カ国は、最近のEUにおける砂糖需給のひっ迫を懸念し、同制度の廃止案を支持した。EUでは、2009/10年度以降、主要輸入先のACP諸国(EUの旧植民地であるアフリカ、カリブ、太平洋諸国)およびLDC諸国(後発開発途上国)からの輸入減少による域内の砂糖供給不足が問題となっている(関連記事:
砂糖類情報2011年11月号需給レポート「EUにおける最近の砂糖需給動向」)。
CIBE、農相理事会議長と会談し現行の砂糖制度継続を求める
今回の農相理事会の開催にあわせ、欧州てん菜生産者連盟(CIBE)の会長らは、農相理事会の議長であるポーランド農相と会談した。CIBEはEUのてん菜生産者の大半が属するロビー団体である。会談のなかでCIBEは、欧州委員会による2015/16年度以降の砂糖の生産割当制度廃止案に反対の意を表明し、少なくとも2020年までは同制度を継続するべきとした。また、てん菜の最低価格制度の継続や域内における砂糖供給のセーフティーネットの強化も求めた。さらに、現行の砂糖制度の継続を前提に、2018年に同制度の検証を行い、EUおよび世界の砂糖需給の状況を踏まえた上で、EUにおける将来の砂糖制度について議論することを提案した。
【日高 千絵子 平成23年11月22日発】
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