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USDA 砂糖の短長期需給見通しを発表(米国)

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最終更新日:2016年4月13日

1 2015/16年度の需給見通し(2016年3月時点)

 米国農務省(USDA)は2016年3月15日、2015/16年度(10月〜翌9月)の砂糖の需給見通しを発表した。

 これによると、てん菜収穫面積は46万3000ヘクタール(以下、1エーカー=0.40469ヘクタールに換算。前年度比0.2%減)、生産量は3200万トン(以下、1ショートトン=0.907185トンに換算。同11.3%増)と見込まれる(図1)。サトウキビ収穫面積は34万3000ヘクタール(同2.8%増)、生産量が2872万トン(同8.7%増)と見込まれる。天候に恵まれ、てん菜、サトウキビともに単収が向上したことから、増産が見込まれている。

 一方、成熟時期の天候不順による製糖歩留りの低下から、砂糖生産量は、801万トン(粗糖換算(以下、砂糖に係る数量は粗糖換算)、同2.0%増)と見込まれる。このうち、てん菜糖は455万トン(同2.4%増)、甘しゃ糖は346万トン(同1.4%増)と見込まれる。

 輸入量は、290万トン(同11.0%減)と、かなりの減少が見込まれる。この背景は、生産量の増加見通しに加え、メキシコからの輸入量が118万トン(同17.8%減)と大幅に減少すると見込んでいるためである(注)



(注)2008年以降の北米自由貿易協定(NAFTA)に基づく完全自由化後、安価なメキシコ産砂糖の輸入量が急増したことを受け、2014年以降、メキシコ産砂糖に対するアンチダンピング関税および相殺関税の適用が協議されたが、同年12月、当該関税の適用の代わりに、メキシコ産砂糖に対する輸入制限措置を設けることで、両国政府が合意した。この合意により、メキシコ産砂糖に対する輸入下限価格が設定されたほか、輸出上限数量や当該輸出上限数量の期間別輸出割当がメキシコ側に課せられた。当該輸出上限数量は、USDAの需給見通しを基に算出され、2015/16年度は、118万トンと設定された。詳細は、「メキシコの砂糖需給および政策の動向」『砂糖類・でん粉情報』(2015年7月号)参照。
図1
表1

2 2025/26年度までの長期需給見通し(2016年2月時点)

 USDAは、2016年2月、2025/26年度までの長期需給見通しも発表している。
 これによると、てん菜収穫面積は、2019/20年度をピークに減少し、2025/26年度は45万5000ヘクタール(2015/16年度比1.3%減)、生産量は3112万トン(同2.7%減)と、ともにわずかな減少が見込まれる(図2)。一方、サトウキビ収穫面積は拡大を続け、41万8000ヘクタール(同18.7%増)、生産量は3375万トン(同20.1%増)と大幅な増加が見込まれる。
 砂糖生産量は、2016/17年度以降に増加が見込まれるものの、2022/23年度をピークに減少し、2025/26年度は881万トン(同9.3%増)と見込まれている(表2)。てん菜、サトウキビともに、技術革新による単収や製糖歩留りの向上などが見込まれるものの、収穫面積の変動に伴い、てん菜糖が464万トン(同0.8%増)、甘しゃ糖が418万トン(同18.8%増)という予測結果となっている。
 人口増による業務用需要の高まりにより、国内需要量が生産量の増加を上回るペースで増加することから、輸入量は増加を続け、2025/26年度は345万トン(同10.6%増)と見込まれる。なお、この需給見通しは、メキシコ産砂糖に関する2014年12月の合意が適用されるのは2022/23年度までとし、2023/24年度以降、メキシコ産砂糖に対してアンチダンピング関税および相殺関税が課せられるため、WTOに基づく関税割当輸入割合が増加するものと見込まれている。
 また、USDAは、上記の予測を基礎的な長期需給見通しとした上で、メキシコ産砂糖の輸入状況を複数想定し、以下の代替的な需給見通しも発表している。
予測
図2
表2
表3
表4
【丸吉裕子 2016年4月13日発】
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農畜産業振興機構 農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
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