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欧州生鮮野菜生産協会、新型コロナウイルス発生下で供給力強化を推進

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最終更新日:2020年3月27日

 欧州における生鮮野菜・果物のサプライチェーン全体を代表する団体である欧州生鮮野菜生産協会(FRESHFEL EUROPE)は3月17日、欧州全域で新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が猛威を振るう中、欧州の生鮮野菜・果物部門は、欧州および世界中の消費者に対し、安全かつ高品質な生鮮野菜・果物を安定供給するための取り組みについて強化しているとプレスリリースを行った。
 感染拡大に伴い、家庭消費が増加している中、消費者が新鮮な野菜と果物を安定的に入手でき、健康的でバランスのとれた食事を継続できるようにすることは、同部門の最優先事項であるとしている。
 
 FRESHFEL EUROPEはプレスリリースの中で、欧州各地で国境管理が実施され、青果物のサプライチェーンの一部が遅延していることに言及し、このような中、高品質の青果物の供給維持のため、業界全体であらゆる対策が講じられているとしている。
 まず、多くの加盟国で飲食店が閉鎖され、消費者は家庭消費のために小売店で青果物を入手することが多くなっている中、鮮度を保つのが難しい青果物をタイムリーに供給できるよう、青果物輸送の優先ルートを確保するよう政府機関らと協議をしている。これには、トラックや運転手の確保、物流スピードを確保するための協定などが含まれている。また、今後の収穫期に向け、十分な従業員が青果物の収穫や梱包作業などができるよう協議も行なっている。
 
 FRESHFEL EUROPEによれば、欧州のすべての生鮮食品メーカーは、サプライチェーンの労働者を最大限に守るために対策を講じているという。可能なスタッフは在宅勤務とし、スタッフ間の物理的な距離を取り、包装・加工場や卸売市場では最大限の衛生予防措置を取り、トラック運転手については特に輸送を続けるうえで極めて重要なため、他の人と接触しないようにするなどの措置が推し進められている。
 欧州食品安全機関(EFSA)により食品を介した感染の証拠はないと報告(参考)があったが、FRESHFEL EUROPEはそれとともに、WHOが公表した予防的勧告に従い、食品の取り扱いや調理に際し、衛生的に行動するよう消費者に注意喚起している。具体的には、手を洗うこと、生肉と調理済食品を同じまな板と包丁で処理しないことなどが含まれている。
 
 FRESHFEL EUROPEはプレスリリースの最後で、業界全体のこのような努力が、新型コロナウイルスの感染拡大の状況下でも、消費者が青果物を十分に摂取し、健康的でバランスのとれた食事を続ける一助となっているとした。

【参考】
【調査情報部 令和2年3月27日発】
このページに掲載されている情報の発信元
農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:国際調査グループ)
Tel:03-3583-8527