先述したように、平成22年度以降、これまでB−5要件で申請していた生産者が制度の対象となるためには、本則要件への移行が必要となる。そこでJA南さつまが注目したのが、JAによる育苗などの基幹作業の受託である。
これまでは、JAなどの作業受託組織(サービス事業体)は、収穫作業を3.5ヘクタール受託していなければ、面積要件を満たすことはできなかったが、平成22年度の制度の見直しによって、面積要件の基準が「収穫作業面積」から「基幹作業面積」に変更されたため、基幹作業を3.5ヘクタール受託すれば面積要件を満たすことができる。このため、JA南さつまに基幹作業を委託する生産者は、いわゆるB−4要件を満たすこととなり、交付金制度の対象者となる。
JA南さつまは、川辺町と知覧町に育苗施設を所有しており、その2カ所の敷地面積は計1万5000平方メートルに上る。ここでは、かぼちゃ、キャベツ、レタス、ねぎなど野菜苗や、水稲苗、かんしょ苗を生産しており、その生産量は、野菜苗は約50ヘクタール分、水稲苗は約400ヘクタール分、かんしょ苗は約100ヘクタール分(苗数にして約300万本)となっている。