一方、でん粉粕は、その成分中に炭水化物(繊維質:セルロース)やタンパク質を含んでいる。わが国におけるバイオエタノール製造は、稲わらやもみ殻および木質原料中のセルロースを糖化原料として行う例があるが、ばれいしょでん粉粕中に含まれるセルロースは、これらに比べてヘミセルロース(*注2)やリグニン(*注3)の含有が少なく、糖化原料としては有効であると考えられる。
そこで、でん粉粕中のセルロースを水熱処理によってでん粉そして、単糖まで分解し、それらを発酵させてエタノールを製造するプロセスを構築することを目的として開発を行っている。
*注1:生物化学的酸素要求量。水中の有機物などの生物的酸化分解の際に微生物が必要とする酸素の量を表したもの。値が大きいほどその水質は悪いとされる。
*注2:植物細胞壁に含まれるセルロースを除く水に不溶性の多糖類の総称。
*注3:高等植物の木化に関する高分子のフェノール性化合物であり、木質素とも呼ばれる。