(1)被験者
中高年男性被験者(e群)は、糖尿病などの疾病を有さず、投薬などの治療を受けていない、健康な50〜80代の男性45名とした。この一部は高尾らの報告(
砂糖類・でん粉情報2013年10月号)に詳細が記載されている被験者である。
若年男性被験者(y群)は、疾病を有さず、投薬などの治療を受けていない、健康な20歳前後の男子大学生36名とした。
両群ともに、健康状態については、自己申告により確認を行った。
なお、本研究は昭和女子大学倫理委員会の承認を受けて実施した。
(2)被験試料
被験試料は、グルコース、スクロースとした。
市販のペットボトル入り飲料水(550mL)を用意し、あらかじめ50mL程度の水を捨てた後、試料50gを加え、キャップをして緩やかに混和し溶解した。
対照群として試料添加のない、水のみの群を設定した。
飲料のペットボトルは、キャップに被験者番号のみを記載し、外見から試料の判別はできないように実施した。
(3)血糖値測定および採血
被験者は、無作為に対照群(C群)、グルコース摂取群(G群)、スクロース摂取群(S群)の3群に割り付けられた。
被験者には、前日の午後9時以降の飲食を禁じ、当日の朝食も欠食とし、実験中の飲食も禁じた。実験は、午前9時半から10時の間に順次開始した。被験者には各人専用の穿刺器具と使い捨て針、血糖測定器と使い捨ての測定用チップを配布し、指先より自己採血をし、血糖測定器で空腹時(0分)の血糖値を測定した。被験者はその後、当日実験会場で配布された被験飲料を約5分の時間をかけて摂取した。
摂取後15分、30分、60分、90分、120分に空腹時と同様の方法で血糖値を測定した。
また、各タイミングには、前腕正中皮静脈より採血を行った。採血は医師および医師の監督下、看護師が行った。
実験会場は快適な空調を保ち、被験者には椅座位にて安静に過ごすよう求めた。
採取した血液は、血漿(しょう)分離後分析時まで−80℃にて保存した。