イ. 仕入れ量および仕入れ価格の動向
各年における仕入れ量の動向を見ると、平成20年においては「増加」が最も多かったが、その他の年では「横ばい」が最も多かった(
図13)。各年の増減要因を見ると、「使用製品の製造量の増減」が最も多く挙げられており、調査の対象とした砂糖や異性化糖同様、製品の売り上げに国内産ばれいしょでん粉の仕入れ量が左右されていることが分かる。以下にその他の特徴的な増減要因を挙げる。
21年において、増加の理由として「化工でん粉からの切り替え」が挙げられた。これは、前年の10月1日に食品衛生法施行規則の一部改正が行われ、化工でん粉を添加物に使用する場合はその旨の表示が義務付けられたことによるものである。このため、添加物を使用しない製品を製造しようとする企業で化工でん粉からの切り替えが見られた。
22、23年において、減少の理由として「供給量の減少」が挙げられた。前述の通り22、23年度は北海道の不作で、ばれいしょでん粉の供給量が大幅に減少しており、企業の仕入れ量にも影響が見られた。「増加」または「横ばい」とした企業においても、「不足している」「確保が困難である」などの声が聞かれ、調達に苦労したことがうかがえる。また、一部の企業では、「輸入化工でん粉に切り替えた」も見られた。24年においても減少の理由として「供給量の減少」が挙げられており、同年産の国内産ばれいしょでん粉の供給量は前年産から増加したものの、依然として必要量を確保できなかった企業が見られた。
仕入れ価格については、22年は74%、23年は76%、24年は47%の企業が前年に比べ「上昇した」としており、供給量の不足により仕入れ価格が上昇したとみられる。25年以降は「横ばい」が多く、仕入れ価格は安定して推移したとみられる。