青果用では、「男爵薯」、「メークイン」 (
写真1)の栽培が依然として多いが、男爵薯については、作付面積が2005年まで2万ヘクタールを維持してきたが、近年は、1万ヘクタール台で推移し、メークインも近年は1万ヘクタールを割るなど、青果用全体に占める割合は低下している。
表2の品種の特徴を見ると、男爵薯は、サラダやコロッケ原料用としても使われているが、目が深く皮がむきづらい、皮をむいた後の褐色が多いなどの欠点がある。また、メークインは、目が浅く皮がむきやすく、煮崩れがしにくいことから、煮物用として使われることが多い。一方、2次成長しやすく、いものそろいが良くないなどの欠点がある。
最近は、粉質で食味の良い「キタアカリ」、いもの肥大が早く早期出荷向けの「とうや」(
写真2)の栽培が増加してきている。また、長崎県や鹿児島県を中心に春作栽培で多収の「ニシユタカ」が栽培されている。とうやは、家庭内での調理においても皮がむきやすいことも利点と考えられ、消費が伸びている一因とも考えられる。
男爵薯やメークインは、全国で栽培されている。キタアカリは、全国で、とうやは北海道、関東中心、ニシユタカは長崎県、鹿児島県を中心に暖地2期作地帯で栽培されている。
なお、収量は少ないが、良食味の「インカのめざめ」は200ヘクタール近く作付けされ一定の需要がある。赤皮赤肉の「ノーザンルビー」(
写真3)、紫皮紫肉の「シャドークイーン」など特徴のあるカラフルポテトについては契約栽培や小規模な栽培が行われている。今後、カラフルポテトの栽培が増えれば、ばれいしょで食卓を彩り豊かにすることが可能になる。