砂糖の国際価格は下げ基調を強め、指標となるニューヨーク粗糖先物の期近は、4月最終週に1ポンドあたり14.63セントまで下落し、1月末日の高値(29.90セント)の5割程度に下落した(表1、図5)。価格下落の主な要因は、天候回復によりブラジルの本格的な生産が順調に開始され、インドも降雨により生産が回復し、輸入量が当初予測を下回るとみられることなどである。
なお、5月に入ってからも、大幅な減産から国際価格上昇の大きな要因となったインドにおいて、本年のモンスーン期(6月〜9月)の降雨量が過去10年平均の98〜104%と予測される中、一部地域では例年よりも早く降雨が始まったことなどから、2010/11年度の生産量の回復が見込まれ、依然タイトであるとはいえ、需給は緩和するとの予測から、価格は月半ばまで軟調に推移した。ニューヨーク粗糖先物の期近は5月17日時点で14セントを割り込んだ。