2010/11年度は、前年度の生産分50万トンが持ち越されるため、砂糖の生産割当数量は縮小するとみられる。このため、てん菜作付面積は156.4万ヘクタール(前年度比1.6%減)に減少し、砂糖生産量は1390万トン(同16.8%減)と大幅な減少が見込まれる。
輸入量は、LDC諸国およびACP諸国からの輸入増加に加え、FTA締結によりコロンビアおよびペルーからも供給されるため、390万トン(前年度比13.0%増)と、かなり大きく増加するとみられる。一方、輸出量は前年度比33.6%減の146万トンと、大幅に減少するとみられ、WTOの上限137.4万トン(白糖換算、粗糖換算にすると149.4万トン)を下回ると見込まれる。
EUは、砂糖制度改革により主要輸出地域から主要輸入地域に転じた。域内生産体制の縮小、砂糖生産国との貿易協定の締結、および国際価格の下落から、当分の間、EUの輸入は増加すると見込まれる。しかしながら、国際価格が再び高騰した際には、輸入量の確保に不安もあり、域内供給の安定へ向けたEUの動向が注目される。
注1:本レポートの数量は、断りがない限り粗糖換算である。
注2:包括的なEPA締結はカリブ海諸国とのみ、その他の地域については個別のACP諸国と暫定協定を締結。
資料:USDA GAIN Report “EU-27 Sugar Annual 2010” 2010/4/22 LMC “Monthly Sugar Report” 2010年2月 独立行政法人農畜産業振興機構「砂糖類情報」2010年2月号