2009/10タイ砂糖年度(10月〜翌9月)の生産はほぼ終了し、同年度のさとうきび生産量は6570万トン(前年度比1.2%減)、砂糖生産量は710万トン(粗糖換算、同5.3%減)と、主産地の乾燥した気候の影響により、いずれも前年度から減少するとみられる。
2010/11年度のさとうきび作付面積は、2009年の国際砂糖価格の高騰を受け、108万ヘクタール(前年度比0.9%増)に増加すると見込まれる。一方、エルニーニョ現象の影響により、例年5月中旬に始まる雨期が遅れ、北部、北東部で干ばつの被害が生じており、このことが同年度の生産に影響を及ぼす可能性がある。
LMCは2010年6月時点で、同年度のさとうきび生産量を6940万トン(同5.6%増)、砂糖生産量を760万トン(粗糖換算、同7.0%増)と予測するが、今後も干ばつが続けば、これらの数値は下方修正される可能性がある。また、国際砂糖価格の急落を受け、生産者はさとうきび生産への肥料使用量を減らしており、このことも同年度におけるさとうきび、砂糖生産量の減少要因として懸念されている。