平成19年産から導入されたさとうきびの品目別経営安定対策においては、甘味資源作物交付金の交付対象生産者は、一定の要件を満たすこととなっている。同要件について受託組織等が存在しない地域においては、特例措置として平成21年度までの3年間に限って担い手育成組織に参加する者についても交付金の交付対象とすることができた(表2 注5参照)。
特例期間が終了する平成22年産以降は、これまでの取組状況や生産地からの要望等を踏まえ、共同利用組織の活用や作業受委託を推進し産地が将来にわたって安定的にさとうきびが生産できるように、要件である基幹作業(「耕起・整地」、「株出管理」、「植付け」、「収穫」)に「防除」および「中耕培土」の追加や共同利用組織等の範囲の拡大などの見直しが行われた。
沖縄県では、平成22年1月から県とJAが中心となって県下の51の「さとうきび生産組合」が今回の対象者要件の見直しに対応できるよう、説明会を各地で開催した。その後、各地域のさとうきび生産組合の総会において、それぞれの組合が設定した担い手育成の方向性が決定され、要件の充足に向けた取り組みが図られることとなった。
本稿では、組合長を中心に地域の関係機関と連携した担い手育成に取り組む体制を構築した沖縄本島北部の「名護市久志地区さとうきび生産組合」の事例を紹介する。