優良品種として認定されるまでには、予備試験に1年、品種検定試験に3年と、早くても4年という長い時間がかかる。また、現地検定試験と特性検定試験は品種検定試験のなかで同時並行て行うこととなっている。
これらの試験は、優良品種として検定するための基本データとなるので、特に慎重に生育を観察する必要があり、毎年同調査において各品種の生育状態および栽培管理などがてん菜の栽培技術者、研究者によって実施されている。
現地調査後の検討会では、一部ほ場において6月下旬の暑さなどによる葉の欠乏症、施肥切れによる生育不良などが指摘されたため、今後の追跡調査で経過観察の結果が期待されるところである。出芽率については、北海98号が低いとの指摘があったものの、その他の品種は特に問題なしとの報告があった。
今年は、4月下旬の低温・寡照、一部地域では降雪に見舞われ、ほ場は埋雪したものの、早急に融雪および気温の低下がなかったため、大きな被害には至らなかった。さらに5月下旬〜6月上旬にかけて低温で推移したが、6月中旬以降高温、多照になったため、生育状況は良好に転じ、平年並みへと回復基調(一部地域では葉数、草丈ともに平年を上回る)となっており、調査結果時の正確なデータ解析が期待できる。
なお、各調査場所の概要は別表2のとおりとなっている。