2009/10中国砂糖年度(10月〜翌9月)の生産は終了し、砂糖生産量は前年度比12.6%減の1180万トン(粗糖換算、白糖換算では1070万トン)に落ち込むとみられる。減産の主な要因は、主産地の雲南省と広西壮族自治区で干ばつによりさとうきびの生産量が落ち込み、両地域の砂糖生産量が合計で100万トン以上減少したためである。また、北部のてん菜生産地域で作付面積が前年度比37.5%減の15万ヘクタールに減少し、てん菜糖生産量は70万トン(粗糖換算、同30%減)と、大幅に減少したことも一因である。
てん菜作付面積の減少は、政府の最低買付価格や買入制度で保護される穀物への作付転換が行われたことによる。なお、中国農業統計資料(2008年)によると、2008/09年度における甘味資源作物の作付面積の割合は、さとうきび87.6%、てん菜12.4%と、砂糖生産の原料は主にさとうきびとなっている。
政府は、2010/11年度に黒龍江省および新疆ウイグル自治区のてん菜作付面積を2008/09年度の水準に回復させること、また内モンゴル自治区の作付面積を拡大させることを目指しており、これらが達成された場合、同年度の作付面積は28万ヘクタール(前年度比86.7%増)に増加し、てん菜糖の生産量は120万トン(粗糖換算、同71.4%増)に回復するとみられる。
また、さとうきび生産量についても、収穫面積は干ばつによる影響が不確定ではあるものの、現時点で、前年度と同程度の147万ヘクタール、単収は前年度の干ばつによる減少から回復が見込まれることから9890万トン(同15.0%増)に増加するとみられる。これらのことから、中国全体の砂糖生産量は1360万トン(粗糖換算、同15.3%増)とかなりの増加が予測される。