そこで、私たちは、乳幼児のスキンケアのための安全で、かつ手間がかからない材料を探していたところ、呉市で開催された産官学フォーラムで「シュガースクラブ」という砂糖を原料にした基礎化粧品を知りました。商品は砂糖を原料にしたものであり、てん菜糖(北海道原産の砂糖大根)から抽出した砂糖粒80%に、精油、食用油20%でオイルコーティングしたものです。砂糖の持つ浸透圧の高さにより皮膚から水分が浸透し、さらにオイルコーティングにより皮脂量が増加することで、バリア機能の役割を果たすことができる、ということです。
また、砂糖は、褥創(床ずれ)のスキンケアに使用され、傷を治す作用があることも知られています。シュガースクラブの製造元企業から委託研究を受けて商品の効果を検証してきました。
2007年度は、肌水分値で保湿効果を調べました。砂糖を主原料としたシュガースクラブを使用した3カ月〜4歳の乳幼児(使用群)14名と、使用しない乳幼児(未使用群)14名を比較しました。結果は図2に示しますように、使用群の3カ月〜4歳の乳幼児の使用30分後(沐浴で使用)の水分値は有意(p<.01)に上昇し保湿効果があることを検証しました。