砂糖生産量の増加を受け、2010/11年度の輸出量は過去最高の2980万トン(粗糖換算、前年度比15.5%増)に達するとみられる。輸出先については、前年度に最も多かったインドが生産回復により輸入量を大幅に減らすと予測されるため、ロシアや中東、アフリカ諸国が中心になるとみられる。
一方、ブラジルにおける砂糖輸出の遅延は依然解消されず、このことは2010年6月中旬以降の国際砂糖価格上昇の一因として注目される。輸出遅延は、港湾処理能力を上回る砂糖の出荷や降雨による船積みの中断が原因とされ、国内6カ所の砂糖輸出港(サンパウロ州のサントス港やパラナ州のパラナグア港など)で荷積みを待つ船舶数は例年の2倍以上とみられる。
政府統計によると、2010年7月の砂糖輸出量は290万トンに達し、過去最高であった2009年9月の255万トンを大きく上回った。砂糖出荷が平年を上回るペースで行われる背景には、前年度に主産地の中南部において大雨により生産が停滞し、一部の出荷が2010/11年度に持ち越されたこと、国際市場において過去2年間に砂糖需給がひっ迫した結果、在庫が低水準となっている上、北半球の生産が10月以降に開始されるためブラジル産砂糖の引き合いが高まっていることがある。ブラジルの輸出量は世界の約5割を占めており、国際需給に大きな影響力を持つ。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, August 2010”
UNICA “Brazilian Sugarcane Industry Association” 2010年8月3日記事
SECEX(ブラジル開発商工省貿易局)“Brazilian Trade Balance-Monthly”