沖永良部島におけるさとうきび生産量は、平成元年には11万4877トンを記録しましたが、平成2年産以降減少傾向で推移し、平成17年産では過去最低の4万3623トンまで減少しました。平成18年産以降は、さとうきび増産プロジェクトをはじめとした関係者の努力により、生産量はようやく回復しつつあります。
上に述べたさとうきび生産量減少の要因の一つとして収穫面積の減少が挙げられます。
昭和59年産から平成2年産までは1400〜1600ヘクタール台で推移していた収穫面積は土壌害虫などによる株の不萌芽や他作物との競合により、平成9年産では814ヘクタールまで減少し、危機的状況に陥りました。その間も農水省、鹿児島県の指導、協力を仰ぎながら株出面積の拡大に向けサキシマカンシャクシコメツキ(以下、ハリガネムシ)の農薬防除試験、株出萌芽性の優れた品種の育成、普及を図ってきました。
平成11年度から普及し始めた品種RK91−1004(農林17号)や農薬アドバンテージ剤の施用で収穫面積の減少傾向には歯止めがかかりましたが、株出面積の拡大には至らず、平成10年産〜18年産は800〜900ヘクタール台で推移する結果となりました。
平成19年産からは株出栽培で多収の新品種(農林22、23号)の普及及び新農薬(プリンスベイト、以下「ベイト剤」)の施用で株出移行率が増え収穫面積も1000〜1300ヘクタール台に拡大しました。(図1参照)