9月のニューヨーク粗糖先物相場(期近10月限)は、最大の生産国ブラジルにおいて、乾燥した天候によるさとうきびの単収低下が懸念されたこと、船積みの遅れによる輸出遅延が継続したことから続伸した。
また、ロシアの干ばつやパキスタンの洪水被害による減産で、これらの諸国の輸入量増加が見込まれたことも上昇の一因とされる。同月下旬にブラジルで降雨が予報され、投資家が利益確定売りに動き相場は一時的に下げる場面もあったが、その後、ブラジルのさとうきび生産量が下方修正されたことを受け堅調に推移した。しかし、2010/11年度にインドが豊作になるとの見通しから月末に相場は下落し、1ポンド当たり25.30セントで納会を終えた。
10月に入ってからは、前月に引き続きブラジルの生産が不安視されたことや、世界的に在庫が低水準となっており、輸入需要が堅調であったこと、また、ドル安などを背景に相場は上昇傾向で推移し、10月15日時点の粗糖先物相場(期近3月限)は1ポンド当たり27.06セントと、2月初旬の高値水準を回復した。