10月のニューヨーク粗糖先物相場(期近3月限)は、世界的に在庫が低水準となり、輸入需要が堅調な一方、世界最大の生産・輸出国ブラジルで乾燥した天候が続き、供給能力が不安視されたことから一貫して上昇傾向で推移した。
ブラジルに次ぐ生産国インドは豊作が見込まれ、3年ぶりに本格的な輸出を再開するとの観測が強まったものの、主産地で季節外れの降雨により製糖開始が遅れるなど不透明な面もあり、相場の下げ要因にはならなかった。特に下旬には、世界第2位の輸出国タイと第3位の豪州で天候不順による減産の可能性が高まったことから相場は続伸し、月末には1ポンド当たり29.12セントに達した。
11月に入ると、2日には29年ぶりの高値となった年初を上回る1ポンド当たり30.12セントに達し、その後も各国の天候不順による需給ひっ迫や米国の金融緩和によるドル安を背景に相場は上昇し、9日には1981年1月以来の高値となる同33.11セントに達した。しかしながら、その後相場は中国の金融引き締め観測や利益確定売りを受け急落し、15日には同27.03セントとなった。