政府は10月22日、2010/11年度では初めて砂糖の国家備蓄放出(21万6000トン)を行った。平均販売価格は1トン当たり6,680元(83,366円:1元=12.48円注)となり、前回放出時の同5,659元(70,624円)から大幅に上昇した。なお、前年度においては、8回にわたり合計171万トン(白糖換算)の国家備蓄が放出されている。
2010/11年度の砂糖生産量は回復が見込まれるものの、消費量1580万トン(粗糖換算、前年度比3.9%増)を大幅に下回るとみられる。輸入量については、前年度の放出により国家備蓄が100万トン程度にまで減少したとみられることから、前年度から大幅増加の240万トン(粗糖換算、同41.2%増)と予測される。ただし、中国では異性化糖の生産が需要の増加を反映して増加しているため、砂糖輸入量が予測を下回る可能性もある。
2010年9月における粗糖・白糖輸入量は、2009/10年度の減産や年初に比べ国際砂糖価格が下落したことを受け、前年同月の約8.2倍となる35万2000トンに増加した。輸入先の大半はブラジルであった。
資料:LMC “Monthly Sugar Report, November 2010”
注:TTS相場10月最終日