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5. 日本の主要輸入先国の動向

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最終更新日:2010年12月2日

5. 日本の主要輸入先国の動向

2010年12月

調査情報部

 
 
 2009年における砂糖輸入量のうち、甘しゃ糖・分みつ糖(HSコード1701.11-190)が128万3443トンと全体の98.8%を占め、そのうち57.8%をタイ、27.3%を豪州、11.7%を南アフリカと、この3ヵ国で96.8%を占める。

◆タ イ◆

 
 

(1)2010年11月における生産見通し

 2010/11タイ砂糖年度(10月〜翌9月)のさとうきび収穫面積は、前年度の砂糖価格高騰による作付け増加を受け、118万ヘクタール(前年度比9.3%増)に増加するとみられる。
 
 さとうきび生産量は、タイさとうきび・砂糖委員会事務局(OCSB)によれば、雨期の深刻な干ばつによる単収低下が懸念されるものの、被害規模は当初予測を下回るとみられ、また10月の大雨により干ばつの影響が軽減されるとも見込まれることから、前月の予測を230万トン上回る6650万トン(同2.9%減)と予測される。さとうきび生産量の上方修正を受け、砂糖生産量は前月の予測を30万トン上回る730万トン(粗糖換算、同2.8%増)と、前年度からわずかに増加するとみられる。

(2)貿易状況

 2010/11年度の砂糖消費量は前年度からやや増加の250万トン(粗糖換算、前年度比4.2%増)とみられる。砂糖生産量は上方修正されたものの、消費量も増加していることから同年度の輸出量は前月予測を40万トン上回る480万トン(粗糖換算)と、前年度並みにとどまるとみられる。
 
 2010年9月における粗糖・白糖輸出量は、年初の国際砂糖価格高騰時に輸出を大幅に増やした反動から、前年同月比63.5%減の16万4000トンとなった。主要輸出先は日本、カンボジア、インドネシアなどアジア諸国であった。
 
資料:LMC“Monthly Sugar Report, November 2010”
 
 
 
 

◆豪 州◆

 
 

(1)2010年11月における生産見通し

 2010/11豪州砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきび収穫面積は、前年度の砂糖価格高騰により作付けが増加したことから41万ヘクタール(前年度比13.9%増)とみられ、さとうきび生産量は3390万トン(同13.8%増)に増加すると予測される。
 
 砂糖生産量については、さとうきび収穫期の降雨が平年に比べ多く、糖度が低下した上、収穫遅延による原料不足で多くの製糖工場が操業を一時的に停止する事態が発生したことから、前月予測を30万トン下回る420万トン(粗糖換算、同6.7%減)と、当初の増産予測から一転し、減産が見込まれる。

(2)貿易状況

 2010/11年度の砂糖消費量は前年度並みの110万トン(粗糖換算)と予測される。生産量の下方修正を受け、輸出量は310万トン(粗糖換算、前年度比6.1%減)と、前月の予測を30万トン下回るとみられる。
 
 主要輸出先は日本を含むアジア諸国であり、中でも、国内需要の増加を背景に輸入量を増加させているインドネシア向けの比率が高まっている。
 
資料:LMC“Monthly Sugar Report, November 2010”
 
 
 
 

◆南アフリカ◆

 
 

(1)2010年11月における生産見通し

 2010/11南アフリカ砂糖年度(4月〜翌3月)のさとうきび収穫面積は、前年度の砂糖価格高騰による作付け増加を受け、30万ヘクタール(前年度比3.4%増)に増加するとみられる。しかしながら、さとうきび生産量については、主産地クワズール・ナタール州が深刻な干ばつに見舞われた上、肥料使用量が価格の上昇により減少し、単収が前年度から大幅に低下していることから、前月予測を50万トン下回る1640万トン(同12.3%減)と予測される。
 
 さとうきび生産量の下方修正を受け、砂糖生産量は前月から10万トン減の210万トン(粗糖換算、同8.7%減)と見込まれ、いずれも過去15年間で最低の水準になると予測される。

(2)貿易状況

 2010/11年度の砂糖消費量は前年度並みの180万トン(粗糖換算)と見込まれる。輸出量は50万トン(粗糖換算、前年度比37.5%減)と大幅な減少が予測され、2006/07年度の半分の水準にまで落ち込むとみられる。この大幅な減少は、減産に加え、前年度に国際砂糖価格の高騰を受け、多くの業者が在庫を取り崩して輸出を行った反動ともみられる。
 
 2010年8月における粗糖・白糖輸出量は、減産による供給余力の低下から、前年同月比49.4%減の4万5000トンとなり、主要輸出先はモザンビーク、スーダン、ケニアなどアフリカ諸国であった。
 
資料:LMC“Monthly Sugar Report, November 2010”
 
 
 
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農畜産業振興機構 調査情報部 (担当:情報課)
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