インドネシアでは、人口増加や経済発展に伴い砂糖消費量が増加を続け、生産量も増加しているものの、需要の増加ペースに追い付かず、不足量は年々拡大している。消費の約6割は家庭用で、残りは食品・飲料など加工用が占める。不足分は輸入で補われており、輸入量は年によって増減があるものの、増加傾向で推移している。
2009/10年度のさとうきび収穫面積は、コメ、とうもろこし、大豆など他作物への転換や有料道路、住宅地への転用が行われた影響を受け、42万ヘクタール(前年度比2.3%減)とわずかに減少し、さとうきび生産量は3220万トン(同0.9%減)にとどまった。砂糖生産量については、さとうきびの減産に加え、日照不足と収穫期の大雨による糖度の低下で、250万トン(粗糖換算、同13.8%減)と6年ぶりの減産となった。
一方、消費量は570万トン(粗糖換算、同1.8%増)と堅調に推移したことから、輸入量は前年度から大幅に増加し、300万トン(粗糖換算、同20.0%増)を突破した。輸入に占める粗糖、白糖の比率は、従来白糖が粗糖を上回っていたが、2006/07年度に逆転し、その後も粗糖の占める割合が高まっている。
2005/06年度から2009/10年度にかけて白糖輸入量は半減したのに対し、粗糖輸入量は、精糖工場の新設ならびに需要拡大を背景に120万トンから250万トンと2倍以上に増加した。2009年には新たに3基の精糖工場(合計産糖能力100万トン/年)が稼働を開始しており、粗糖の輸入需要は今後も増加が見込まれる。